怖くて悲しい話一覧

同じ顔

私は極力、どんな人とも分け隔て無く付き合うよう心掛けて生きてきました。 それは人が好きで仲良くしたいというよりは、無駄なトラブルに巻き込まれたくない、という自己保守的な考えからくるものだとは自覚して...

やんた

じゃ、書かせてもらいます。書くのがちょっと怖かったって気持ちは理解してくれると嬉しいです。 俺の実家、岩手県のとある地方なんだけどさ、毎年帰省するんだけどね。 よく田舎って「本家」みたいなのが...

Y君と足

サッカー部にいたY君の話です。 Y君はある夜、誰もいない校庭で一人練習をしていました。 ミスしてしまい、明かりのない方へボールを蹴ってしまったそうです。 Y君はおそるおそる暗がりの方へ向かいまし...

死へのいざない

これは、一番人に話すのに気が引けて、一度しか話したことのない話。 寝ていると、明け方金縛りに。 よくあるので、気にせずに眠ろうとしたが、低いお経の声が聞こえる。 それがうるさくてうるさくて眠...

祖母

私の一番古い記憶は三歳。木枯らしの吹く夕方、一人でブランコを漕いでいるところ。 手も足もかじかんで、とても冷たい。でも今帰れば母に叱られる。 祖母に迎えに来て欲しい、ここはいつも来る公園なのだから...

近所の子

幼稚園に通っていた頃、近所でよく遊んでいた女の子がいました。 僕の親は、その子に会った事が一度もありません。 近所の子なのに、そんな事は無いだろうとお思いでしょうが、事実です。 その子は僕の家に...

私の・・・赤ちゃん・・・

私は一人海岸の波打ち際で膝を抱え、穏やかな海を眺めていた。 海岸には親子連れやカップルの姿がチラホラと居るだけ。 時間は・・・正午を少し過ぎた位だろうか、太陽が一番高い所で輝いている。 キャ...

カヌー

T県を流れるK川の周辺は、毎年夏になると、バーベキューやキャンプを楽しむ家族連れや若者たちで、まるで大きな街中にいるような大にぎわいとなる。 A大学のあるアウトドア系サークルも、夏のキャンプ合宿にこ...

娘の悪戯

早紀ちゃん(仮名)が住んでいた家の玄関はガラスの格子戸で、上がり框のすぐ後ろにも、すりガラスの引き戸がはまっていた。 早紀ちゃんのお父さんが「ただいま~」と帰ってきて靴を脱いでいると、その影がす...

母から聞いた自分が生まれる前の話。 家を増築することになったのですが、大工さんに怪我や病気が頻発してなかなか工程が進まず、なにかあるかもと、お坊さんに見てもらったそうです。 すると、「中学生く...

津波を被った職場の怪奇現象

私の職場は宮城県の某所、沿岸部からほど近い場所にあります。 当然ながら、あの東日本大震災で津波の浸水被害にあっております。 私の入社は大震災後だったのですが、当時はやはり大変だったようです。 ...

ヨガの瞑想

Aさんは妻と子供がおり、平凡ながら幸せに暮らしていました。 Aさんは趣味でヨガを習っており、いつのまにか瞑想が趣味を兼ね備えた日課のようになってました。 瞑想する事で心が落ち着き、非常にすっきりし...

11月12日

俺の田舎は山間にある戸数10戸程の小さな村。 毎年11月12日は、夜半過ぎには全ての家の人が消灯して床につく。 何故かって… 100年程昔、明治時代、貧乏な身寄りの無い乞食兄妹が村に流れ...

温泉

母と娘が旅行に行った。 娘はもうすぐ嫁ぐ身、最後の母子水入らず。 ありきたりの温泉宿で、特徴は海に面した・・・それだけ。 部屋に通されるとやる事がない。 駅から続く温泉街の土産物屋はだいた...