師匠シリーズ<全話リスト>
師匠シリーズ 第1話 小人と巨人 師匠シリーズ 第2話 師事 師匠シリーズ 第3話 鍵 師匠シリーズ 第4話 そうめんの話 師匠シリーズ 第5話 失踪 師匠シリーズ 第6話 東山ホテル ...
洒落にならない怖い話・ゾッとする話・オカルト
師匠シリーズ 第1話 小人と巨人 師匠シリーズ 第2話 師事 師匠シリーズ 第3話 鍵 師匠シリーズ 第4話 そうめんの話 師匠シリーズ 第5話 失踪 師匠シリーズ 第6話 東山ホテル ...
外は雨だ。額に、顔に、大粒の雫がかかる。雨脚はさほど強くないが、空を見上げようとしても、なかなか目を開けられない。 それ以前に、真っ暗な空にはどれほど目を凝らそうとも何も見えなかった。 目を細めて...
師匠から聞いた話だ。 大学二回生の夏だった。 ある時期、加奈子さんという僕のオカルト道の師匠が、空を見上げながらぼんやりとしていることが多くなった。 僕の運転する自転車の後輪に乗り、あっちに...
大学四回生の冬だった。 そのころの俺は、卒業に要する単位が全く足りないために早々と留年が決まっており、就職活動もひと段落してまったりしている同級生たちと同じように、悠々とした日々を送っていた。 と...
師匠から聞いた話だ。 小高い丘のなだらかに続く斜面に、藪が途切れている場所があった。 下草の匂いが濃密な夜の空気と混ざりあい、鼻腔を満たしている。その匂いの中に、自分の身体から発散させる化学物...
師匠から聞いた話だ。 大学二回生の春のことだった。 僕はオカルト道の師匠から頼まれて、現像された写真を受け取りに行った。 店舗にではない。普通のマンションの一室にだ。表札もないその部屋のドア...
市内に戻って来ると、もう夕方の五時を過ぎていた。陽も翳ってきている。 「二手に分かれよう」 師匠はそう言って、街なかで僕を車から下ろした。 「わたしはちょっと調べることがあるから、先に家に帰って...
「じゃあ、わしはこれで。でも、加奈ちゃん、頼むよ。ほどほどでね」 住職が襖を開けて出て行こうとする。電球の明かりに、脂ぎったハゲ頭がやけに照り返している。 夏雄とアキちゃんの父、黒谷正月(しょうげ...
それから僕らは連れ立って小川調査事務所を後にした。 師匠は「餅は餅屋だ」とだけ言って、行き先は告げなかった。僕はただそれについて行った。 JRの駅に向かったので少しドキドキしたが、ロッカーには近寄...
ヤクザどもが去って行った後、小川さんはしばらくソファでぐったりしていたが、急に飛び起きると、慌てた様子でデスクについて仕事を片付け始めた。 ホワイトボードのスケジュールに目をやると、所長は今日の午後...
・A・ 次のお話はC82夏コミの同人誌に書いたものです。 多分、全五回です。 今夜は1回目だけです。 『心霊写真』 師匠から聞いた話だ。 大学二回生の春だった。 僕はその日、バイト...
次のお話は、一昨年の冬に別サークルの同人誌に寄稿したものです。 今夜もこの一話だけで終わりです。 師匠から聞いた話だ。 大学二年の夏だった。 オカルト道の師匠であるところの加奈子さんが...
・A・ 次のお話は、同人誌『師匠シリーズの3』に載せたものです。 今夜は1作だけです。 では。 師匠から聞いた話だ。 その女性は五十代の半ばに見えた。 カーキ色の上着にスカート。特に...
(この話は、2011年の夏コミの時に、別サークルの同人誌に寄稿したものです) 師匠から聞いた話だ。 大学一回生の春だった。 そのころ僕は、同じ大学の先輩だったある女性につきまとっていた。...
師匠から聞いた話だ。 「二年くらい前だったかな。ある旧家のお嬢さんからの依頼で、その家に行ったことがあってな」 オイルランプが照らす暗闇の中、加奈子さんが囁くように口を動かす。 「その家はか...