やんた

やんた 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

じゃ、書かせてもらいます。書くのがちょっと怖かったって気持ちは理解してくれると嬉しいです。

俺の実家、岩手県のとある地方なんだけどさ、毎年帰省するんだけどね。
よく田舎って「本家」みたいなのがあるのは分かるかな?
その一族の本家っていうかさ、要は親戚縁者を統括する家みたいなの。
血筋の出所って言えば適切かな。まぁそういうのがあるんだわ。
その本家はね、三百年くらい歴史があるその土地の権力血筋だったんだ。
あまり詳しくは書けないけど、立派な造りなんだよ。ボロっちいけどね。

その本家で俺がまだ当時小学生だった時、夏だったかな、大人達が囲炉裏のあったっていう(今はない)部屋で、何かゴソゴソ話してるの。
もちろん俺といとこは気になっちゃって、こっそり盗み聞きしようとしたんだ。
大人達っていうのは親戚のオサーンとか、俺のじいちゃんとか、そこら辺の親戚の人間ね。田舎はコミューンが小さいから、結構血が繋がってるんだ。人口少ないし。

「…どうすん…部屋…」
「空いて…近づくしかね…閉め…」

みたいなこと話してたんだ。あまりよく聞こえなかったんだけどさ。
まぁ盗み聞きはソッコーでバレたんだが、親戚のオサーンが

「おめら、何もきぃてねぇべな!!きぃてねぇべな!!」

って凄い剣幕で俺らに言ってきたんだ。
いつもは超優しいオサーンだったもんだからその形相に俺らはビックリしちゃって、何も聞いてないって言ったの。
そしたら
オサーンはいつもの優しいオサーンに戻って

「そうか…」

って肩をなでおろしていたのを今でもハッキリ覚えてる。

時期はお盆でした。
風習も面白いところなんだが、俺らガキは大人達から
「お盆の海では絶対にお酔いじゃダメだぞ」
みたいな事をいつも言われてた。
まぁシカトして泳いでたし、そういった霊体験みたいのは何もなかったから全然平気だったんだけどさ、まぁよく言う海で泳ぐのは危険だから、お盆特有の霊現象みたいなので子供を海へ近づかせない常套句だったんだろね。
これは全国各地である話だよね。

話がちょっと脱線したけど、いつもの夏通りに海へ出かけて釣りしてたの。
釣りへ出かけて楽しんでるとさ、釣りへいつも連れて行ってくれてる親戚のオサーンが元気ないんだわ。
さすがにガキながら心配になり「どうしたの?」みたいな感じの事を言ったんだ。
そしたら、オサーンは「どうもしねから、どうもしねから」って上の空みたいな返事しかしない。
この時点で今ならかなり怪しいと思えたんだが、なにぶん、当時は小学生のガキだったもんでそこまで気にせず釣りを楽しんでたんだよね。

俺らは釣りにすごくハマってて、夜釣りもしてたんだけど、いつも通り、オサーンに夜釣りに連れて行ってくれって俺らは夕方くらいに頼んだの。
オサーンは何故かかなり拒否して、今日はやめとくべって言ってきたんだ。
いつもはね、「あべ、あべ」(←行こう。の方言だよ)って自分から言ってくる人なんだけど何故かかたくなに拒否されたんだ。
もうこの時は確か盆の入り直後だった思う。
不思議だなと思ったんだけど、俺らはコッソリ夜釣りに黙って出かけちゃったんだよね。

夜釣りを楽しんでるとさ、いとこの一人が俺に言ってきたんだ。
「A(←俺)、何かあっちさ人たってねは?」
あっちって方向を指差したのは海のど真ん中。
コの字型の岸壁のど真ん中で確かに人らしきのが海の上に立ってるの。
最初は舟の上で漁師のオサーンが何かしてるんだろうなって思ったけど、そんな気配はない。つーか、舟がない。
きっと幽霊だと思ってなんか俺らは怖がらずに、逆にテンションあがってワイワイやってたんですよ…。アホだ…。

そしたらオサーンとじいちゃんとかが、俺らが釣りしていた岸壁にかなり飛ばして、俺らの背後にある漁港までの山道を飛ばしてきたのに気づいてさ俺ら見つかってオサーンとじいちゃんにかなりその後しぼられたんだ。
車の中で「何か見たか?何か見てねぇべ!?」って言われてさ、俺らはその幽霊らしきのを見たとは言わず、また事実を隠しちゃったの。
そしたら、また大人達が肩をなでおろしたのがマジで印象的だった。

車の中で本家に帰る途中、ずっと大人達は無言だったんだ。
俺らはそれに不思議がったんだけど、俺は勝手に釣りに出かけたら怒ってるんだろうなって思ってた。
家に着くと大慌てで婆ちゃんが俺らんとこに来て
「何も見なかったべな!!何も見なかったべな!!」
ってオサーンと同じ事を言ったのよ。
で、まぁ見てないみたいな事を言ったら婆ちゃんフラフラ~って崩れ落ちて泣き出した。
悪いことしたなぁって反省したんだが何がそこまで大人達をさせるのかなって気になったんだよね。
すぐ後に婆ちゃんが
「くわっせ、うまかっつぉ」
って言ってくれて夕顔の煮たのを出してくれた。
郷土料理だよ、美味しいよ。
いつもの婆ちゃんに戻ってたね。
さっきのテンパってた婆ちゃんじゃなくて。
だからなおさら気になったんだよね。

夕顔食いながらさ、ふと気になってたから聞いちゃったんだよね。
何か部屋が開くだの閉めるだのみたいなのをこの間話してたでしょ~みたいな感じで。
そしたらまた空気が変わっちゃってさ、婆ちゃん泣き出す、オサーンはテンパる、爺ちゃんは電話しだす、オヤジ&おかんはうなだれるみたいな感じにね。
俺らはさすがに怖くなって二人とも泣いちゃった。阿鼻叫喚とはまさにこの事。。。

で、オサーンに別の部屋に連れて行かれてね、盆棚がある部屋なんだけどさ
そこで10分くらい拝まされて、「今日は寝ろは…」って言われたんだけど、気になって寝れない。
まだ婆ちゃん泣いてるし、近所から人来るしさ寝れるわけねーだろみたいな場だったんですよ。まぁ寝たんだがw

朝起きたら、いつも通りの朝で取り合えず一安心。
けど、爺ちゃんは難しそうな顔をしたままだった。
起きてソッコーで寺に連れて行かれて、剣舞(←字は合ってるか分からん)を見せられた。
ケンバイっていうのは何か背中に旗さして踊ってるよくわからんもの。
この地域では子ども会みたいなのに入ってるヤツらが踊ってるの。
学校の帰りとかに公民館みたいなところに寄って、夏に踊る為に練習してるんです。俺はやらんかった。
見せられた後に寺の本堂の中に連れて行かれて、坊さんに長々とお経をあげられた。
以降は爺ちゃんとオサーン、坊さんの会話ね。うる覚えだからあれだけどさ…。
あと方言が意味不明だと思うので訳して書きます。
爺ちゃんをJ、オサーンをO、坊さんをBとします。

O:「何も見てなかったって言ってました」
B:「だとしたら安心だけど油断は出来ないな」
O:「こっちはこっちで何とか出来るとは思うんですが」
B:「じゃあ、T(本家の屋号)に行くから」
J:「お願いします」

みたいな感じ。もっと沢山話してたんだけど、こんな感じでした。

で、爺ちゃんが俺にね、話してきたの。
俺の言葉で話しちゃうから、この通りに話していた訳じゃないけどね。
内容的にはこんな感じでした。

「お前はこの家の造りはだいたいわかるだろ?部屋が何個ある?
その部屋で物置にしてる部屋があるだろ?その部屋の奥に襖があるだろ。
そこには昔から近づくなとは言われて多と思うけどな、そこの襖がちょっとだけ開いたんだ、最近。
そこにはな、錆びた槍の先がしまわれてるところなんだ。」

ってね。
本家の部屋は8つくらいあって、縁側が2こある不思議なつくりなんだけどね、俺が本当に小さい時から言われてたのが、裏の縁側に回るなってことと物置の部屋には行くなって事。
まぁ物置にしてる部屋なんて確かに暗がりで薄気味悪いから行かなかったんだけどさ、そうやって言われてたの。
その奥に襖があるのはなんとなーくは知ってたんだけど、その前には荷物やら何やらが山のように置かれてたから、行くにも行けないようになってたんだよね。
俺は薄気味悪いから物置部屋には近づきもしなかったしそんな襖のことはどうでもいいと思ってた。
今これ書きながら考えるとあの荷物群は絶対に意図的なものだったんだろうなって思う。
で、また爺ちゃんが

「その槍の先はな、爺ちゃんの爺ちゃんの(ry のな、ずっと昔からあるもんなんだ。
爺ちゃんもな、前からあれは近づいても見てもダメだってお前くらいの時には言われてたんだけどな。
近づくなって理由は定かではないけど爺ちゃんが爺ちゃんから聞いた話だとな、あの槍は昔、ここで飢饉があった時にあの槍でみんなどんどん死んでいったんだ。
何であの槍で自殺したのかは分からないけど、そうやって爺ちゃんは聞かされた。
聞かされたのはお前よりもっと大人になってからのことだったんだけどな。実際はどうかは分からん。
その槍は昔からこの家が預かることになっていてな、お前もわかるだろ。

ここら辺で中心的な家がここだってことくらい。だから、その槍の先を預かってるんだ。
押入れの中にただ槍の先がコロンって転がってるだけなんだが、本当に危ないものなんだよ。
襖にはおまじないがしてあって、開かないようになってるんだ。
もちろんこっちから開ける事は御祓い(?)の時以外は絶対にないからな。
お前も見たことあるだろ。坊さんがたまに来て物置部屋に入っていくの。
あれは御祓いをしていたんだよ。
お前ら子供には見せちゃダメだって坊さんから言われてたしな。
お前も坊さんから爺ちゃんやオサーンから言われた通りなことをそのまま言われたことあるだろ?物置部屋には近づくなって。
けど、いい子だったよ、お前は。ちゃんと近づかなかったしな。
お前の父ちゃんは悪がきだったから子供の頃近づいて襖付近まで行ってしまって、その後大変だったんだ。
とにかく、大変なものが入ってるんだよ。そっから先は婆ちゃんに聞け。」

のような事を言われて、何か気分がさすがに悪くなっちゃってね、婆ちゃんに聞く気にもなれずに割と放心状態でした。
ガキながらに流石にこれは怖かった。
けど、婆ちゃんが聞きたくもないのにこっちに来てさ、言うんだよね。
また俺の言葉による内容のまとめになっちゃうけど…。

「その飢饉ではな、いっぱい人が死んだし、自殺もしたし、とにかく楽になりたかったんだ。
天国に行って、のんびりしたかったんだ。
けど、本当はもっと婆ちゃん達みたいにもっと長生きしたかったんだと思う。
だからお前も、ちゃんと食べられる事に感謝して毎日元気にしてなきゃいけない。
嘘もつかずに真面目に生きなきゃダメだぞ。
嘘つきはダメ。女の人も子供も、その飢饉では沢山死んだんだ。」

みたいな事だった。
俺は夜釣りで幽霊らしきのを見たってハッキリ言おうと思ってさ
「海の上に人立ってた」
って言ったんだよね。
二人はこの前みたいにテンパらずに「やっぱりな…」って言った。
俺は怖くなっちゃってガクガク震えちゃったんだけど、婆ちゃんが「大丈夫大丈夫、婆ちゃんついてるから…」って言ってくれた。
けど、婆ちゃんは実際、かなり不安そうな顔をしてた。
爺ちゃんはお寺に行ってくるって言って出かけていったんだ。

で、坊さんが来たのはその話を聞いた次の日だったと思う。いや、思い出した。次の日だったわ。
初めて俺はその時に襖付近へ行く事を許されたんだけど、荷物群を全部取っ払って何か棚の準備をしたのを手伝わされてさ、ちょっとしたお寺の拝む棚みたいなのを作るのを手伝わされた。
坊さんはあちこちをブツブツ何か言いながら歩いてね、その棚の前に行くとお経を上げ始めて、俺は出て行くように言われた。
襖はたしかにほんの10cmくらい開いてた。
1時間後くらいだったと思う。
坊さんが部屋から出てきて、その間に親戚がみんな集まってて、近所の人も来ていてね。
何かみんなで拝んでまた剣舞見てその日が終わった。
坊さんがさ、俺に言ってきたんだけど

「たぶん、今日はちょっとだけビックリする事が起きるかもしれない。
けど、大丈夫だから。たとえそれが起きたとしてもそのままそこにいなさい。
もう大丈夫だから何が起きてもその場を離れちゃダメだよ」
って言われたの。
俺は素直にハイって答えました。夜釣りも行く気になれなかった。
その後に坊さんはオサーンや爺ちゃんに話してた。
オサーンが坊さんに「大丈夫なんでしょうか。アイツは大丈夫なんでしょうか。心配です」
みたいな事を言っていたんだけど、坊さんは「大丈夫、その場を離れなければ」って言ってた。
案の定、爺ちゃんやオサーンに俺は念押しされて、坊さんからの言付けを必ず守るようにって言われた。
その後は普通に飯食って、楽しく花火をして、夏を満喫したんだよ。
まぁ怖かったから無理やり花火やって、楽しもうとしてたんだけどね。忘れたかった。

花火も終わり、お風呂も入ったし寝る事にしました。
またオサーンに「早く寝ろは…」って言われたし。
で、寝ようとしたんだけど坊さんの言った事が気になってなかなか眠れなかったんだよね。
俺が寝ている部屋はちょうど物置部屋の斜め隣なんだけどさ。
何でいつもは気にせず寝てるのに流石にこの時ばかりはこの位置が気になって眠れないの。
そしたら急にコココココ…って何かを小刻みに何かに当たってる物置部屋のほうからから音がしだして壁のほうから聞こえてくるん
だよね、人間の声がボソボソって。
それはどんどん増えて言ってあちこちから聞こえきだすの。
もう今でもちゃんと覚えてる。

「腹…腹…」
「やんた…やんた…生きて…生きてぇ…」
「腹…は…」
「死にたぐね…やんた…」
「腹…腹…」
「やんた…やんた…やんた…」
「お寺さ…やんた…」
「水っこはやんた…も…」
「腹…水っこは…」
「取ってけっつぇ…死にたぐね…生きてぇ…」

って声があちこちから聞こえてくるの。
もう怖くて怖くて仕方なかった。発狂しそうだった。
けど坊さんの言付けを守らなきゃって頑張って自分に言い聞かせて、震えながら寝れずにじっとしてた。
声はやまなくてどんどん増えていったんよ。
そしたら俺の寝ている部屋でも何かがコココココ…て聞こえ出してさ、さすがにそれには閉じていた眼を開けちゃって、その音の方向を見ちゃったんだよね。
そこにはさ、般若の刺繍(?)っていうか、そういった布で出来た飾りみたいなのが額縁に入れられてあるんだけどそれが揺れてるんだよね。
しかも、その般若の刺繍の眼のとこが動いてるの。
さすがに口を閉じたり閉めたりまではしてなかったとは思うんだけど、般若の刺繍のとこらへんからも同じ言葉が出てきてるんだよね。
「腹…腹…」、「やんた…水っこは…」って。
たぶん、それ見て気絶してました。気づいたら朝だったし。

ちゃんとそれを爺ちゃんと坊さんに言って、お寺でまたお経をあげてもらいました。
坊さんは褒めてくれた。爺ちゃんも褒めてくれた。よく頑張ったなって。

何か長くなってしまい、イライラさせてしまいましたが、こんな感じです。
俺が確かに体験して、今でもその話を帰省すると坊さんや爺ちゃんとします。
で、ちゃんと拝んで過ごしています。取り合えず、ここで終わりますが、何か聞きたいことあったらどうぞよろしくです。



295: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:15:54 ID:DnLediVC0
107お疲れ様!待ったかいがあった
>>281
「水っこはやんた…も…」 っていうのは槍で腹を刺した後、107が夜釣りに行ってた海に捨てられたってことかな?

297: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:18:37 ID:o0WSmwhQ0
>>295
飢饉で食べ物がないから、いつも水で空腹を凌いでたんじゃないのかな?
だから、「水は嫌だ・・・もう・・・」ってことじゃないかな。

284: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:09:24 ID:0r575RnY0
ヤンタってどういう意味?

285: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:10:04 ID:v636FY7y0
>>284
「嫌だ」って意味の方言だよ。

293: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:14:52 ID:v636FY7y0
うん、ちょっと疲れたよ、さすがに。。。
みんなありがとうね、これが俺の経験した話です。
誰かに言いたかったけど、言えなかったし。
あ、マジで質問なんかあったらどうぞ。

294: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:15:25 ID:SWiTNqu70
海の上で見たものはどのような関係があったの?

299: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:19:23 ID:v636FY7y0
>>294
憶測でしかない&爺ちゃんから聞いた話もあるんだけどね、海へ身投げした人もいたらしいからたぶんそれかと。
海産物だけでは生きていけない証拠だよね…。
飢饉ってたぶん、俺の出身はマジで小さな沿岸地方の町だからね。
郷土史に載ってたりするのかね。気になる。

303: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:28:43 ID:7TGCOLb50
飢餓で自殺ってあるのかね。
口減らしに労働できない者を順に突き殺したのかな?

306: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:33:48 ID:v636FY7y0
>>303
それは定かではないけれど、あんまり考えたくないことだよね。
けどやっぱ自ら命を…みたいなのはあったらしいよ。
ウチの実家は本当に30年くらい前まで「陸の孤島」って呼ばれてるような地域にあったとこだしね。
逃げ道も希望もないでしょうね…きっと。

302: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:22:14 ID:o0WSmwhQ0
>>107氏
ほんと長文乙でした。
途中色々言われてたのに、最後まで投下してくれてよかった。

一緒に話を盗み聞いて夜釣りもしたいとこは同じ現象に遭わなかったの?
あと、107がそういう目にあった直接の原因って、やっぱり話を聞いちゃったから?

306: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:33:48 ID:v636FY7y0
>>302
うん、俺の書き方が悪かったからね。みんなに申し訳ない。
ちゃんと全部書いてから投下すればよかった。
けど、実際は怖かったんだよね。。。
いとこは黒い人だかりみたいなのを同じ時刻くらいに見たって言ってた。
俺の体験とは違うよ。部屋は別々にさせられるしね。
原因は分からないけど、話を聞いたって言うよりも海で見ちゃったからじゃないかな?

312: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:40:58 ID:o0WSmwhQ0
>>306
まあ色々言われても逆切れもせずに質問まで受けてくれてるし、今後書く時あったらまとめてからすればいいだけの事だよ。
あんまキニスンナー。
やっぱりいとこにも現象は起こってたんだね。
大人達は襖が開いてて何か嫌な予感がするから、夜間外出を控えさせようとしてたんだろうね。
怖かっただろうけど、無事でよかったよね。

316: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:46:19 ID:v636FY7y0
>>312
ありがとう。
いとこが言ってたのは黒い人だかりってさっき書いたんだけど部屋のあちこちに黒い人らしきのがいたらしいよ。
いとこが寝ていた部屋は10畳以上はある広い部屋。
襖が開いていたのは、その事実を知った俺らなんかよりも実際は大人達の方が怖かったんじゃないかな。

320: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:55:21 ID:o0WSmwhQ0
>>316
恐ろしい・・・いとこもよく耐えたね。
確かにそうかも、大人達は107のお父さんの時にも色々あったようだしそれがどれほど危ないものかわかってるわけだからね。
お婆ちゃん泣き出しておじさんテンパるくらいだから、相当恐ろしかったんだろうな~。

324: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:02:04 ID:v636FY7y0
>>320
たぶん、過去にも色々あったんだろうね。
本家のすぐ裏にはね、右に入れる山道みたいなのがあるんだけどそこに小さい社みたいなのもあったり、本家のすぐ隣、道路はさんで海が見下ろせる一族の小さなお墓群にはかなり昔からのものと思われるお墓もあるよ。
よく無縁仏は拝んじゃいけないっていうけど、俺らはそういった無縁仏様にも拝んだりしてるよ、昔から。
俺らっていうか、あそこら辺の地域の人はみんなそうだと思う。

329: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:17:11 ID:o0WSmwhQ0
>>324
地域ぐるみで亡くなった方達を供養してあげてるんだね。
でも今でもその槍は本家にあるんだよね。
怖がったりするのは失礼だけど、槍に関する曰くを聞いてしまうとやっぱり多少は怖いね・・・。

332: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:37:21 ID:v636FY7y0
>>329
正直、何かやっぱ不気味で嫌だけどね。
ご先祖様たちの無念を俺らが忘れないような戒め的な部分もあると思うし、嫌々言ってられないからね。

309: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:38:40 ID:uJdklYgXO
>>107
途中で一回寝たけど気になって起きてきた。
KOEEEEE!!!
岩手の沿岸って…
俺の実家、K石なんだけど違うよな!?違うだろうけど

なんにせよ乙!

311: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:40:21 ID:v636FY7y0
>>309
あはは、K石なんだ。違うから安心して。
K石はあそこらへんだったら進んでる町だからね。
今は道路が通って交通もよくなってるからね。

310: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:39:33 ID:DnLediVC0
>>107に質問
「腹…腹…」
「やんた…やんた…やんた…」
「お寺さ…やんた…」
「水っこはやんた…も…」
「腹…水っこは…」
「取ってけっつぇ…死にたぐね…生きてぇ…」

これって飢餓で苦しんでる場面?
それとも槍で自決してる場面?

314: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:43:07 ID:v636FY7y0
>>310
わからないですよ、それは。
どっちなんだろうね。自決するなら槍を使わないとは思うんだけどね。
実際に槍を見せてもらう機会があったんだけど、錆びてて刃渡りは25cmくらいのものだったし、あれで自殺するんなら鎌とかで自殺した方が死にやすいとは思います。
けどね、槍の柄はないの。刃だけあるの。柄はどうしたんだろね。

319: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:54:26 ID:DnLediVC0
>>107=314
返答ありがとう
107は声だけしか聞いてないもんね。
ちょっと気になっちゃってレスしてしまいました。
柄は木で出来てたかなんかで朽ちて腐り落ちたのかな。。

324: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:02:04 ID:v636FY7y0
>>319
いえいえ、いいんです。
柄はどうなったんだろうね。しかも何で刀ではなく槍だったのかも謎ですね…。

322: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:00:05 ID:ELb0HDc4O
>>107乙
おもろかったな~
また何かあるなら書いてくれ…
寝れないんだ…

325: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:05:48 ID:v636FY7y0
>>322
後日談みたいなのは別に普通だし、ただ拝んで剣舞を見るとかこの地域には普通のことしかないから面白くないと思うよ。
だから、何か気になることあったら何なりと質問をどうぞ。

323: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:00:54 ID:ryQst+/k0
今来た漏れは勝ち組?
>>107長文乙!
因みにこの出来事の後に霊感が…とか変なモノが見える様になったとかってないの?

318: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 03:50:56 ID:SWiTNqu70
大人たちの怖がりかたから言って、過去に何か起きてるようだけど、
聞いてないんすか?
また、父親は悪ガキでいったい何をやらかしたのかな?

321: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 03:57:11 ID:v636FY7y0
>>318
うん、聞いたよ。そしたら話してくれなかった。
けど、オヤジは襖あけた途端におんぶされたって言ってたな。
アホオヤジ。まったくもって失礼な人です。
尊敬はしてるけどね。

325: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:05:48 ID:v636FY7y0
>>323
う~ん、昔からちょっと霊感はあったかもね。
迎え火を焚いてる時に、畑の上の空中に男の子がフワフワしているのを見たしね。
大人は見えなかったらしいんだけどさ。
嫌な感じではなかったね。

326: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:06:38 ID:ryQst+/k0
>>107
槍って漁とかに使ってた物とは違うのかな?
農村なら斧とか農耕具で自殺する方が手っ取り早いだろうけど漁村とかだったら漁業に使う道具で自殺するのが自然なんじゃないかな?

327: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:10:19 ID:v636FY7y0
>>326
うん、違うと思うよ。
どちらかというと、漁業にパーセンテージが傾いているところだけどね。
槍らしきのは漁業には使ってるのを見たことない。
しかも、飢饉とは言ってるけど、飢饉だったってのも定かではないしもっといっぱい人が死んだ悲しい出来事があったのは有名な話だからね。
言い方悪いけど、飢饉&悲しい出来事のダブルパンチですね…。

330: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:23:10 ID:ryQst+/k0
>>327
成る程…地方によっては立て続けに不幸な出来事が起こってたりなんて事も結構あるみたいだよね
オカ板に出入りする様になってから色々と勉強になる事が多いよ
漏れは子供の頃から引越し族と化してるからここが自分の地元って心底思える場所が無いんで今住んでる地域で昔何があったとか全く知らないや
意外に自分の住んでる地域に付いて調べてみるのも悪くないかもね

332: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:37:21 ID:v636FY7y0
>>330
うん、俺もそれまで飢饉があったなんて知らなかったし。
けど、ここらへんは言い方悪いけどよく「出る」地域かも。

335: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:47:41 ID:v9HnmDDf0
>>107
お、終わりか?
面白かったが最後の歯切れが悪い様な・・・

取り合えず、乙!
続きがあったらヨロ。

337: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:54:05 ID:v636FY7y0
>>335
うん、歯切れ悪いよねw
何ていうか、書いていてちょっと気分が悪くなっちゃって。
思い出しちゃったってのが強いね。忘れたくて始めたんだけどやっぱ出来なかったね。
続きは一応あるよ。その後の。
怖くはないけどね。

336: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:51:08 ID:MeNId0fM0
>>107
ドラマみたいなことが起こるんだね
怖かったよ

337: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:54:05 ID:v636FY7y0
>>336
うん、中には信じない人もいるとは思うんだけど、事実は事実だし、そこらへんはいいんです。

328: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 04:16:11 ID:DnLediVC0
確かに読んでる間は怖かったけど
こういう犠牲の上に自分がいるということに切なくなって泣けてきたよ。

332: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 04:37:21 ID:v636FY7y0
>>328
ですよね、何か今思うとあの言葉、かなり怖かったけど
悲しいですし。。。

339: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 05:00:43 ID:sE/PfbVC0
今来ました。
普通に怖いし、興味深い話だね。107さん乙でした。

340: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 05:08:05 ID:v636FY7y0
>>339
実際は何か悲しい話です。。。

343: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 05:13:47 ID:7TGCOLb50
つか、坊さん、鏃は寺に持って帰れとwwwwww



347: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 05:33:13 ID:v636FY7y0
>>343
そう思うのですが、きっとお寺に入れるともっと可愛そうなのではと思ったからではないでしょうか。
うちの本家、本当に見晴らしが良いんです。
あそこなら町を一望できますから、淋しくならないと思います。

では、続きを書かせてもらうね。

その後だけど、お経をあげてもらって、普通にお盆を過ごしました。
岩手県の夏は本当に綺麗で、この地域でそんな悲しい出来事があったなんて信じられないくらい。
けど、俺はやっぱり元気が出なくて怖くて当分ビビって過ごしていました。夜がとにかく怖かった。
その度に爺ちゃんやオサーンが大丈夫だとは言ってくれたけど、やっぱどうしても怖かったんだよね。

けど、釣り好きだから、また懲りずに夜釣りへ出かけました。
坊さんからは何か変なお守りらしきのを貰っていたし。
何て言えばいいのかな、木を本当に薄くスライスしたものみたいなのに文字が書いてあるやつ。確か三文字くらいだったかな。勿論、漢字。
梵字ではなかったと思います。
夜釣りをしていると、あ、この時はオサーンも一緒です。爺ちゃんも一緒。
静かな海だったな。凪は落ち着いてて、ウミタナゴがよく釣れました。
爺ちゃんが釣りをしながら俺に話しかけてきたんだけど
「どこらへんで○○を見たんだ?どのあたりだ?」
って言ってきました。
○○の名前は思い出せない。人名ではなかった。
何かモノの名前だと思う。きっとそれは立っていた人のことなんだろうけど何だったかな。何か思い出せないの嫌だな。
俺はあのあたりって言って海の真ん中あたりを指しました。
人差し指では注さずに、目線で以ってさした。人差し指でさすとね、
何かまた怖いこと起きるんじゃないかって思っちゃって。
完全にビビりですねw

「そうか…」
って爺ちゃんが言って、涙ぐんでました。
そんな爺ちゃんを見るのが初めてだったから、ビックリしたんだけど、そこでオサーンがいいからいいから…って言って無理やり俺に釣りを続けさせました。
釣りから帰ってくるとすぐに婆ちゃんから、早く盆棚に拝んできなさいって言われて、盆棚に拝みに行ったの。
また夜で、怖かった。斜め隣がどうしても気になっちゃうんだよね。
父ちゃんが俺の隣に来て、昔の話をしてくれました。
父ちゃんが経験した話。
前記したとは思うんですが、おんぶされたってやつね。

348: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 05:37:54 ID:J/7ab3gW0
>>347
さっきの話のこともあってけっこう面白かったです。
○○がわかったら報告してほしいです。
爺ちゃんも話してくれそうだし。
長文本当に乙でした。

352: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 05:55:59 ID:v636FY7y0
「父ちゃんはいきなりな、誰かにピョンって飛び乗られたみたいに重くなってな、動けなくなってな、腹っこ…腹…。取ってけっつぇ…
って言われたんだ。
お前ももしかしたらこういう言葉を聴いたかもしれないな。
けどな、それを怖いと思っちゃいけないって爺ちゃんに言われたんだぞ。
まあ無理だよな、確かに怖いしな。怖いかもしれないけど、ここの地域にそんな悲しい話があったんだ。
それを覚えておけば怖いとは思わなくなるさ」

みたいな感じのことだった。
今思うと、襖開けたくせによく言うわって感じなんだけどねw
しまりのない後日談はこんな感じです。。。

ちなみに、分かっている事は

飢饉があったという事。
さっき調べましたが、岩手県って冷害が結構あったらしいです。
東北地方の沿岸部は季節風の「やませ」というのが吹きます。それが続いて吹くと農業も漁業もうまくいきませんので。
「やませ」は必ず毎年吹くものなのですが度合いが違います。
また、飢饉以外にもそれを超える出来事がありました。
詳しく書くと地域を特定されてしまう為に省略しちゃうけど。
綺麗な自然とは対照的に過去にはたくさん悲しいことがあった土地なんだよね。
その地域自体は大好きなところだけど。
あと、やたらと地域のつながりが強い。
意味不明な神事らしき事をよくしていた。
誰かが死んだらは絶対に魚、肉、ネギ類は食べない。

あんまり俺の体験とは関係ないかもだけどね。

353: 本当にあった怖い名無し 2005/10/10(月) 05:57:28 ID:7TGCOLb50
う~ん・・・。
やはり槍というものの性格上、自殺というのは考えにくいね。
しかも1本の槍を使い回して多人数が自殺なんてありえない。
鏃が本家にあること、また「お寺さ…やんた…」という言葉から、村の権力者と寺が何らかの取り決めを行い・・・と考えるのが自然かも。

355: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 06:03:20 ID:v636FY7y0
>>353
それも突っ込んで聞いたことあるよ。
食いぶち減らしとかじゃなかったの?って。
そしたらそれだけは絶対にしない約束が昔からあったらしい。
本当かはわからないけど。むしろ本家はその地域の人達とみんなで何とかしようとしてたらしいよ。
階級みたいなのはあくまで表面だけで、本家本家と言っても表面だけのものなの。

あと、ちなみに実際は餓死が圧倒的に多かったらしいね。
海へ身投げや刃物類自殺もあったにはあったらしいけど。

363: 107 ◆h36IzogZBI 2005/10/10(月) 06:44:29 ID:v636FY7y0
うん、取り合えず俺はこれで話すこと話したので良いです。
ありがとね。
名無しに戻ります。次の方どぞー。

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