あれから、あの日から随分、また時間が過ぎた今も。
彼の最後の言葉が、耳から離れない。
あいつは、最後の最後にすら、優しい。
僕の、親友。
もういいよ。しあわせになれ。
その言葉をいつか返せる日まで、あとどのくらいあるのだろう。
仕事をし、家庭をもち、永遠に眠る日までどのくらいあるのだろう。
僕にはわからないが、
いつか終われるその日まで、精一杯しあわせになろう。
そしていつか彼に出会えた日には、
まったく同じ言葉を返そう。
そして、
生まれてきて、良かったんだと。
きみに、出会えて幸せだったんだと、
もう一度答えよう。
それまで
さよなら、親友。
今度こそ本当に、
僕と僕の親友の話は、これでおしまい。