昔、かなり年上の男と同棲し始めてから3ヵ月後。
その男が逮捕され、私も警察に呼ばれ事情を聞かれた。
警察では「好きなものを取っていいよ」と、そば屋のメニューを見せられ、天ぷらうどんをご馳走してもらった。
冷たいものを飲みたいと言ったら、水が出てくると思ったが、缶のお茶をくれた。
落ち着いた頃に警察は、
「彼はしばらく出て来れないと思うよ」
・・・と。
聞けば、彼は前科14犯だった。
飲酒運転で捕まった過去は知っていたが・・・。
帰りには普通の車で家まで送ってくれた。
それから数日が経って、彼が拘置所に移された後、警察官二人が心配して様子を見に来てくれた。
玄関を開けた時の最初の一言が、
「おお!生きてるか!?」
だった。
警察は思ったよりも優しい人ばかりだったなあ。
<解説>
この女性はストックホルム症候群で、実際は同棲していたわけではなく、拉致監禁されていた。
二人の警察官は、その事実を知った女性が自殺していないか心配で様子を見に来たが、女性はまだその事実に気付いていなかった。