当時は心底怖かったなーって話を一つ。
今はもう思い出が風化してるせいかそんなでもないけど高校時代、殺人欲求が凄く強いとかよく自称する奴がいたんだ。
まあ俺含め当然本気にする奴はいなくて、同じリア充グループの奴らには痛キャラみたいに扱われてたけど、基本的に話が面白い男だったからいじめとかはなかった。
で、ある日近隣の市で殺人事件があったのをニュースで知った。
その日の朝はクラス全員、話が盛り上がってた。
殺人欲求自称男と、今だとフルネームも思い出せない地味男の二人がタイミング悪く学校休んでたのもあって、どっちかが犯人なんじゃ?
とか半信半疑かつ不謹慎な盛り上がりもあったりして。
んで次の日の朝、ニュースで殺人欲求男が本当に殺人容疑で逮捕された事を知った。
殺人欲求男から殺人男にクラスチェンジだな。
その日の学校は前日とは比較にならんくらい盛り上がってたのと、今まで仲良かったってのに殺人犯になった途端に見限った奴が多かったのが印象に残ってる。
まあ俺も見限った一人だけど、当然だよな。
怖いのはこっから。
後日、殺人男と面会してきたって奴から聞いた話が怖い。
そいつは殺人男とは一番か二番かくらいに仲良かったから、他の奴らとは違って殺人男を見捨ててなかったんだろうな。
行った奴によると、殺人男との面会室にどうも、看守以外に坊さんらしい格好の人が三人程いたらしい。
もしかして霊的な何かが憑いてたんじゃ……殺人欲求ももしかして……とか妄想すると、かなりぞっとした。
今ではこんな場所に気紛れに書けるくらいには恐怖は薄れてしまったけど、最初に書いた通り、当時は怖かったなって話でした。