オカン

オカン 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

阪神大震災から半月が経った頃だったとおもう。
まだ崩れた家屋や瓦礫はそのままになっていた。
オレとオカンはいつも瓦礫の中を徒歩で自宅に向っていた。
オカンはある瓦礫の山のところでいつも「行くで!」と走り出した。
「またかいな」とオレが言うとオカンは「ここはいつも気持ち悪いんよ、あんたにはわからんやろうけど、なんかまだ人がおる気がするわ」と言う。
「呼ばれるんよ、気持ち悪っ!」とまた走り出すオカン。

それから一週間ぐらい過ぎた後、オレとオカンはまたあの道を通った。
ふわ~と線香の香りがしてきた。
すると、よくオカンが「気持ち悪い」と走っていた瓦礫のとこに花束と缶ビールと、火のついた線香が置いてあった。
「まだ下に埋まっとったんやね」と言うとオカンは手を合わせた。
オレもビビっていたが、手を合わせた。

オレとオカンは震災から20年目の今年。
阪神大震災1.17のつどいに参加した。
東遊園地という公園で毎年開催されている。
1.17と並べた竹筒の中に火を灯し死者を弔う行事。

オカンは「頭が痛いわー気分が悪い。やっぱりこうゆうとこに私は来たらあかんわ~変なもんまで呼んでるわ~」と言う。
オカンが言うには同情してほしがる他の幽霊までがきてしまっているそうだ。
「こんなとこおったら変なもんに取り憑かれるわ。帰ろ。」オカンはしんどそうに言っていた。
翌日オカンは高熱を出した。
「へんな奴のせいやわ」とオカン。
ちなみにオレはオカンの霊能力は全く引き継いでいない。

オカンが言うには気持ち悪くない幽霊はいないと。
なんか理由があるから幽霊になり訴えて来るんやろ言うてました。
うちのオカンはオレと違いオカルト系映画なんかを怖がる人。
オレは平気な方。
しかしオカンは霊の存在をイヤでも感じとるらしく、だんだん体調を崩したり気持ち悪く吐き気がすると言う。
オレはオカンと一緒にいても何も感じません。
だからオレはオカンより霊能力は無いです。

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