白い何か

白い何か 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

俺が中1の時に体験した実話。
夏休みの終盤東久留米にある伯父の家に母と父と泊まりに行った日のこと。

伯父の家にはゲームも無くて退屈してた。
母は伯父や叔母と喋ってて相手にしてくれない。
途中で従兄弟家族も来て、話に加わり、夢中になっている。
家に居ても退屈なだけなので、暑いけどしょうがないから従兄弟のA子と外をぶらついていた。

その周辺はマンションだかショッピングセンターを作るために森が削られていたんだ。
それで俺はずっと前に来たときに伯父に連れて行ってもらった神社のことを思い出した。
あの神社はまだあるのだろうか? 
そう思い俺は記憶をたどって俺達はその神社までなんとかたどり着いたんだ。

そこには以前とかわらない風景があった。
神社の入り口から石の階段を上ると
上からは森が伐採されて平地になった建設地が見えた。
俺が「うわーすっきりした景色になったなぁ」と言うと、A子は「ねぇ、ちょっと・・・」と俺のシャツを引っ張る。
なんだよとA子が指差す先、鳥居のそばのデカい石柱の下から白い物が出てる。
それはシルクのようなつやつやした感じの布に見えた。
ちょこんと出たそれは忙しなく、風も無いのにひらひら揺れている。
俺はビビり屋のくせに、従兄弟の前でいいとこみせようとその白い物体が何か確認してきてやるといってそぉ~っとその下から出た部分だけに注目しながら近寄る。
その物体との距離が50センチぐらいにまでになったとき、突然後ろでA子が

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」

と割れた声で叫んだので俺は驚いてA子のほうを向くとすでに階段まで走って降りようとしてる所だった。
分けが分からずに俺は追いかけた。

階段途中で俺は神社の神主?見たいな人が上がってきて、駆け下りる俺に

「どうした!何があった!」

と言って来たのだが、俺はA子が心配で、
「あっ、ちょと」
とその場をやりすごし止まらずに下まで降りると、後ろからその人がしばらくしてから
「またやったんだな!どうなっても知らないぞこの悪ガキがー!」
みたいな事を言っていたが、それはあまり覚えてないしよく聞こえなかった。
それにずっとそこには来ていないので、何を「やった」のか当然心当たりもない。
神社の階段を降りて、伯父の家の方角を見ると、A子は猛スピードで走っていてもう通りを挟んだ遥か先まで進んでいた。
俺は何故かそれに凄い恐怖を感じたので俺も全速力で追いかけたが、途中で息切れして途中からは歩いた。
その間もあんなに怖がって、何を見たんだろうと恐ろしかった。

やっと伯父の家に着くと、A子は伯父達が雑談してる居間のソファーの陰にいた。
伯父達は話に夢中でA子のことはなにも気にしていないようだ。
俺はゼェゼェしながらA子に
「大丈夫か?なぁ、どうしたんだよ。おいっ」
と言うも、何も答えないので、ソファーの上からA子を覗き込んだ。
彼女は黙々とティッシュで何かを作っていた。
よく見えないので
「何作ってんだよ、見せろっ!」
と言ってそれを取り上げようとしたらA子はそれを飲み込んじゃったんだ。
その日はA子は全く口を聞かずにトイレに出たり入ったり繰り返したり、口にティッシュを入れてその角だけだして顔を上下左右に振って踊り出したり・・・
俺が従兄弟の母に言っても自分の親に言ってもふざけてるんでしょとまともに取り合ってくれない。

次の日。
朝起きるとA子は台所で水を飲んでた。
昨日よりは落ち着いた様子だったので、俺は、
「お前昨日何見たんだよ」
というとA子はしぶしぶ答えてくれた。

彼女が言うに、俺があの石柱の下から出てる白い布に近づいてる時、最初はA子もそこに注目してたそうなんだ。
それで俺が近づくにつれて、石柱後ろから上ににゅ~っっと白い何かがでてきたんだと。
ソレと目が合ったとたんに頭の中がグルグルまわってハンパじゃない恐怖を感じたって。
でもそれがどんなやつかは絶対言わなかった。
彼女は今は獣医になるために専門の学校に通ってます。

以上。長い文章ですまん。

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