テレビのニュースを見ていると、友人の住むアパートが映った。
何があったのかと思って見ていたら、壁の中から少女の遺体が出てきたらしい。
すぐさま友人に電話して、事情を聞いてみた。
すると、友人は既に引っ越していて、もうそのアパートには住んでいなかった。
俺「お前が住んでたあのアパート、壁の中から遺体が出てきたらしいぜ」
友「え、マジかよ?!」
俺「今の住人がリフォームしようとして見つけたんだとさ」
友「うわぁ・・・怖ぇな」
俺「怖いよな。殺して壁に埋めるって、正気の沙汰じゃないもんな」
友「いやいや、その子も可哀想だけどさ、俺は何も気づかずに、その家に住んでたんだぜ」
俺「確かにそうだな」
友「それが怖ぇよ。
考えるとゾッとしてきたわ」
確かに、自分の家に遺体が埋まってるとか、考えただけでもゾッとする。
友人にとっては、自分の身に起きたことだ。
しばらく辛いだろうな。
<解説>
「遺体が出てきたらしいぜ」
↓
『え、マジかよ?!』
この最初のやり取りで、友人は何も知らないはずだが・・・
「壁の中から遺体が出てきた」としか言っていない俺に対し、友人の言葉は、
『その子も可哀相だけど』
と、遺体の性別や大人子供もまったく分からない状況なのに、『その子』と言っている。
埋まっていた遺体が少女だと、友人は知っていたのである。
つまり・・・
遺体を壁に埋めたのは、友人の可能性が極めて大。