
[ナナシ 第22話]終りへの始まり
親友がもうどこにも存在しないのだということを知ってから、一週間程過ぎた日曜日のこと。 僕はふたたび、彼が助けてくれた、そして彼が眠っているその場所を訪れていた。 あの夜からこの日まで、僕は自分がど...
親友がもうどこにも存在しないのだということを知ってから、一週間程過ぎた日曜日のこと。 僕はふたたび、彼が助けてくれた、そして彼が眠っているその場所を訪れていた。 あの夜からこの日まで、僕は自分がど...
子供のころ母に連れられて近所の八百屋まで行った。 母が買い物しているあいだ暇なので八百屋の前にある空き地で待ってたんだけど不思議な立て看板がたってた。 そんなものはいつもはないんだよ、その日だ...
その日、前日の夜のことを引きずったまま僕は学校に行った。 やっぱりナナシはいなくて、アキヤマさんは何事も無かったように教室にいた。 話し掛けてみたが、やはりいつもと変わらなくて昨日のことは全部夢か...
今の年代の人に、狩りをした事のある人は少ないでしょう。 昔、私は祖父に連れられて、狸を捕る為に数度、山にトラバサミを仕掛けに行った事があります。 山にも色々な約束事があります。 うろ覚えです...
あれからどのくらいすぎただろうか。 その寒い日、無事に就職したことを報告する為に今は亡き親友の墓参りに行って来た。 その小さな墓前にはあいつの好きだった忽忘草の押し花が置かれていた。 「死ん...
会社の先輩が中古のカスタム車を買ったので見に行った時の話。 先輩の家の前に着くと車をジャッキで持ち上げウマをかけて、車体の下で作業している先輩の足が見えた。 その時… 「おっ 来たな...
友人から聞いた話です。 友人(以下K太とします)が高校一年の頃、クラスに好きな女の子が出来たそうです。 しかし、間の悪い事にK太の親友Tも彼女を好きになり、所謂三角関係というものが、繰り広げら...
物事には終りというものが必ずあって、それは突然に訪れるものだと知ったのは15の冬の終盤だった。 卒業を目前に控え、慌ただしく日々が過ぎる中、僕の親友は学校を休みがちになった。 以前は学校を休む事な...
5年前の話かな。 僕は寝てた。 夜11時ごろ、友人から携帯電話に着信があり、それで起こされた。 友人は怯えて焦っている様子だった。 「高校の友達からさっき電話あってな、ちょっといやぁな...
車に揺られて数十分。 目的地に到着し、贈り物の本を片手にレイジさんの車を降りた。 冷たい風が髪を揺らす。 ああもう冬なんだなあと実感した。 「晴海君、先行ってて。水汲んでくる」 ...
気ままな学生生活も終わりに近付き、いつしか学校を卒業し、仲の良かったクラスメート達とも連絡を取り合ったのは最初だけ。 僕も進学先の場所に合わせて一人暮らしを始めたりと忙しかったこともあり、次第に誰と...
久しぶりに恐い体験したので書いてみるよ。 俺は昔、霊が見えた時期があったんだけど、ある時を境に見なくなったんだ。 霊を見なくなってもう3年くらいたつんだけど、まだ普通の人よりは敏感に感じれるっ...
おととしの夏、友人6人とキャンプに行った時なんですが、けっこう山奥のキャンプ場でした。 花火などをして過ごし、、夜の12時くらいになって、今日は疲れたからそろそろ寝ようかという事になり、テントに...
ごめんなさいごめんなさいってさ、お前よく謝るけど あやまらなくていいよ 忘れていいよ もういいよ 三年前。 親友が、そう言って笑う夢を初めて見たとき、僕は自分の浅ましさに泣いた。 ...
小学二年か三年くらいまで、空中を漂う金色の金魚みたいなのが見えてた。 基本的には姉ちゃんの周りをふわふわしてるんだけど、飼ってた犬の頭でくつろいだり俺のお菓子横取りしたりと家の中を好き勝手にうろちょ...