八百屋の前の空き地

子供のころ母に連れられて近所の八百屋まで行った。 母が買い物しているあいだ暇なので八百屋の前にある空き地で待ってたんだけど不思議な立て看板がたってた。 そんなものはいつもはないんだよ、その日だ...

山の女神様

今の年代の人に、狩りをした事のある人は少ないでしょう。 昔、私は祖父に連れられて、狸を捕る為に数度、山にトラバサミを仕掛けに行った事があります。 山にも色々な約束事があります。 うろ覚えです...

[ナナシ 第20話]独白3

あれからどのくらいすぎただろうか。 その寒い日、無事に就職したことを報告する為に今は亡き親友の墓参りに行って来た。 その小さな墓前にはあいつの好きだった忽忘草の押し花が置かれていた。 「死ん...

先輩の顔

会社の先輩が中古のカスタム車を買ったので見に行った時の話。 先輩の家の前に着くと車をジャッキで持ち上げウマをかけて、車体の下で作業している先輩の足が見えた。 その時… 「おっ 来たな...

親友との別れ

友人から聞いた話です。 友人(以下K太とします)が高校一年の頃、クラスに好きな女の子が出来たそうです。 しかし、間の悪い事にK太の親友Tも彼女を好きになり、所謂三角関係というものが、繰り広げら...

111

5年前の話かな。 僕は寝てた。 夜11時ごろ、友人から携帯電話に着信があり、それで起こされた。 友人は怯えて焦っている様子だった。 「高校の友達からさっき電話あってな、ちょっといやぁな...

[ナナシ 第18話]母

車に揺られて数十分。 目的地に到着し、贈り物の本を片手にレイジさんの車を降りた。 冷たい風が髪を揺らす。 ああもう冬なんだなあと実感した。 「晴海君、先行ってて。水汲んでくる」 ...

[ナナシ 第17話]サヨナラ

気ままな学生生活も終わりに近付き、いつしか学校を卒業し、仲の良かったクラスメート達とも連絡を取り合ったのは最初だけ。 僕も進学先の場所に合わせて一人暮らしを始めたりと忙しかったこともあり、次第に誰と...

いやな感じがする場所

久しぶりに恐い体験したので書いてみるよ。 俺は昔、霊が見えた時期があったんだけど、ある時を境に見なくなったんだ。 霊を見なくなってもう3年くらいたつんだけど、まだ普通の人よりは敏感に感じれるっ...

不思議な金魚

小学二年か三年くらいまで、空中を漂う金色の金魚みたいなのが見えてた。 基本的には姉ちゃんの周りをふわふわしてるんだけど、飼ってた犬の頭でくつろいだり俺のお菓子横取りしたりと家の中を好き勝手にうろちょ...