師匠シリーズ一覧

師匠シリーズ 第45話 葬式

大学2回生の初秋。 サークルの先輩と二人でコンビニに食料を買いに行った、その帰り道。 住宅街の大通りから脇に入る狭い道があり、その手前に差し掛かった時に、軽い耳鳴りに襲われた。 その直後、目の前...

師匠シリーズ 第43話 田舎 前編

大学1回生の秋。 その頃うちの大学には試験休みというものがあって、夏休み→前期試験→試験休みという、なんとも中途半端なカリキュラムとなっていた。 夏休みは我ながらやりすぎと思うほど遊びまくり、...

師匠シリーズ 第42話 図書館

大学2回生のとき、出席しなくてもレポートだけ提出すれば少なくとも可はくれるという教授の講義をとっていた。 嬉々として履修届けを出したにも関わらず、いざレポートの提出時期になると「なんでこんなことしな...

師匠シリーズ 第41話 10円

大学1回生の春。 休日に僕は自転車で街に出ていた。 まだその新しい街に慣れていないころで、古着屋など気の利いた店を知らない僕は、とりあえず中心街の大きな百貨店に入りメンズ服などを物色しながらうろう...

師匠シリーズ 第40話 家鳴り

大学2回生の夏のこと。 俺は心霊写真のようなものを友人にもらったので、それを専門家に見てもらおうと思った。 専門家と言っても俺のサークルの先輩であり、オカルトの道では師匠にあたる変人である。 彼...

師匠シリーズ 第39話 声

大学2回生の春だったと思う。 俺の通っていた大学には大小数十のサークルの部室が入っている3階建てのサークル棟があった。 ここでは学生による、ある程度の自治権が守られ、24時間開放という夢のような空...

師匠シリーズ 第38話 怖い夢

幽霊を見る。 大怪我をする。 変質者に襲われる。 どんな恐怖体験も、夜に見る悪夢一つに勝てない。 そんなことを思う。 実は昨日の夜、こんな夢を見たばかりなのだ。 自分が首だけになって家の中...

師匠シリーズ 第37話 海

大学2回生の夏。 俺は大学の先輩と海へ行った。 照りつける太陽とも水着の女性とも無縁の、薄ら寒い夜の海へ。 俺は先輩の操る小型船の舳先で震えながら、どうしてこんなことになったのか考えていた。 ...

師匠シリーズ 第36話 鏡

大学1回生の冬。 大学に入ってから出入りするようになったネットの地元系オカルトフォーラムのオフ会に出たときのこと。 オフ会とは言っても、集まって居酒屋で飲む程度のものもあればディープなメンバーによ...

師匠シリーズ 第34話 黒い手

その噂をはじめに聞いたのは、ネット上だったと思う。 地元系のフォーラムに出入りしていると、虚々実々の噂話をたくさん頭に叩きこまれる。 どれもこれもくだらない。 その中に埋もれて、「黒い手」の噂は...

師匠シリーズ 第33話 病院

大学2回生時、9単位。 3回生時0単位。 すべて優良可の良。 俺の成績だ。 そのころ子猫をアパートで飼っていたのであるが、いわゆる部屋飼いで一切外には出さずに育てていて、こんなことを語りかけて...

師匠シリーズ 第31話 四隅

大学1回生の初秋。 オカルト系のネット仲間と「合宿」と銘打ってオフ会を開いた。 山間のキャンプ地で、「出る」という噂のロッジに泊まることにしたのである。 オフ会は普段からよくあったのだが、泊まり...