皆さんは「水虎」と言う言葉を聞いた事がありますか?では「河童」なら解りますね。
私の父親達の年代はプールなどは無く、夏になると近所の河で泳いだそうです。
ある年の夏、父親は淵で溺れました。
その日は発見されず、次の日の朝、水面に浮かんでいる所を漁師さんに発見されたそうです。
知らせを受け駆け付けた祖父は、息子(父親)の亡骸を背負って、村の人達と家路に付きました。
祖父が泣きながら息子を背負っていると、突然「バチーン、バチーン」という音が、どやし付けられる衝撃と共に背中からしてきました。
驚いた祖父と村人が背中の息子を見ると、息をしています。
皆が驚いて息子をよく見てみると、その背中には、6本指の手形が二つ付いていたそうです(父親の田舎では水虎は6本指だそうです)
後日水虎へのお礼に、祖父は豚を5頭売って、淵に岩屋(洞穴)を作らせ、中に石の寝台を作りました。
姉も私もその河でよく泳ぎましたし、岩屋にも行きましたが、残念ながら水虎に出会った事はありません。