船員法第15条

船員法第15条 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

うちのオヤジは昔、貨物船の操舵手をしてました。

オヤジが乗っていた時、オヤジのボンク(寝室らしい)の上の人が、身体中カミソリで斬りつけて自殺をしたそうだ。
死んだその人を抱き上げたらすごく軽かったって。

「血液って結構重いんだなあ」

と言ってたよ。

その人すげー几帳面な人で、絶対当直に遅刻しなかったんだって。
だから死んでからも、時間になるとコツコツ歩く音がしていて、すごく悲しくて辛かったとオヤジが言ってた。
奥さんが不倫したのが自殺の原因らしいんだけど、船員も大変だね。
あ、あと、水葬する時って、いっぱい足の方に重りを入れるんだって。
だから、

「棺桶は海底に突き刺さってるだろう」

なんてことも言ってたな。
たいていの場合は、船で冷凍して持って帰るらしいんだけど、行きの船で太平洋のどまんなかとかで死なれると、昔なので仕方なく水葬にしたんだって。
だから、

「行きで死ぬなよ。
カラダが国に帰れないぞ」

って、よくおどされたそうだ。

船員法第15条

船長は、船舶の航行中船内にある者が死亡したときは、命令の定めるところにより、これを 水葬に付すことができる。

★ 水葬に付す条件として、船舶が公海上にあること、死亡後24時間経過したこと(伝染病以外)、
衛生上船内に死体を保存できないこと、などをあげ、本人写 真の撮影、遺髪、遺品の保管をし、遺体が浮き上がらない処置を講じたうえで、『相当の儀礼をもって』行うことを定めています。

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