「学校殺死の酒鬼薔薇」事件の裏話

「学校殺死の酒鬼薔薇」事件の裏話 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

1997年、夏前の話になります。

私は毎朝、愛犬を散歩する事が日課で、いつものように、いつもの道を散歩していました。
散歩コースでは、学校の正門を通過します。

いつものようにその道に差し掛かると、不思議な光景を目にしました。
何と説明したらいいのか分かりませんが、黒い車が学校の正門を正面に、乗り上げるように停車しているのです。
(学校の正門と車が向かい合うような形)

私は「???」と思いながらも、車を通過しました。
時間は恐らく、6時15分~30分の間だと思います。
犬を飼っている人なら分かると思いますが、犬の散歩の時間は大体同じなので、その時間に間違いはありません。
そしてその道を通過し、いつもの散歩コースを歩いたあと、また先ほどの道を通り、家に帰るのです。

・・・が、その時、
正門前に『人間の首』が置かれていました。

正直な話、本物だとは思いませんでした。
異常な臭いで分かるだろうと思うかも知れませんが、全く異臭はしませんでした。
最もそれが本物だったと知ったのは、その後に警察が聞き込みに来た時でした。

ただ、その時の警察の話が、あまりにもおかしいのです。
警察は確かに言いました。

「正門の柱の上に置いてあった首」

間違いなくそう言いました。
事件が事件だけに、テレビにも散々取り上げられましたが、テレビ放送でも、そう報道されていました。

しかし、私が見た時は間違いなく『正門の前』である事に間違いはありません。
(すなわち、道の上はもちろん、学校の敷地内である)

もちろん私はその事を警察に告げました。
たとえばそれが、私だけが見た光景ならば、私の「幻覚」に過ぎないかも知れません。

しかしどうやら、幻覚ではないようです。
なぜなら、早朝あの通りをジョギングしている近所のおじさんも、正門前に置かれていた事を目撃していたからです。

しかし、このおじさんと私の意見は少しずれていました。
おじさんは、
「首が正門の方を向いていた。
(つまり道に背を向けていた)」
と言います。

何度も確認したから間違いないそうです。
おじさんも『本物の首』とは思わなかったらしいです。
時間帯は5時10分だったという。
いつもここを通る時、学校の時計で時間を確認するらしく、間違いは無いと言います。

しかし私が見た時は、間違いなく正門に背を向けていた。
つまり、道を正面から見ていた状態だったのです。
だからこそ、「タチの悪い悪戯だな」と思えたわけです。

犯人が見つかるまで地元でも、(おそらく日本中でも)犯人探しに近い情報のやり取りが行われていました。
その結果、私が見たあの黒い車を、トラックの運転手も目撃している事が分かりました。

問題なのは、その時間です。
黒い車が正門に乗り上げるように停車しているのを私が目撃したのは、6時15分~30分の間と言いましたが、彼は4時50分頃に目撃したそうです。

それだけではありません。
この黒い車は新聞を見て知りましたが、散歩中のお婆さんなどにも同様に、正門前で停車しているところを目撃されています。
時間帯は、まちまちのようです。

さらに、新聞や近所の人の話によれば、どうやら犯人は、
『学校の近くに潜み、何度が首の位置を変えていたらしい』
という事のようです。

テレビでも似たような報道を、確かにしていました。
私はそこまで丹念に見たわけではないので気づきませんでしたが、少ないものの血痕があったらしく、しかも『首を移動していた事』を裏付けているそうです。

一部ではこんな報道もありました。
「正門の柱の上に置くには、かなり背が高くなくては不可能で・・・
仮に台などを用いたとしても、かなりの大男が犯人だと思われる」

地元では、この『黒い車』の男の話で持ち切りでした。
私自身が目撃したわけではありませんが、この『黒い車』と同様と思われる車は、被害者のJ君が行方不明になる当日も、公園前に駐車されていた事が確認されていたようです。
(J君が行方不明になったと思われる公園の前で)

恐らくこの時点では、日本中が『黒い車』の男に注目していたと思います。
いざ犯人が捕まってみれば、中学生ではありませんか!

あの時の「???」という気持ちは、今も忘れないほど衝撃的でした。
地元では「警察本当かよ!?」的な話題で持ち切りでした。

私達地元住民が「???」と思うのは、なにも『黒い車』だけではありません。
J君が行方不明になった後、警察が公開捜査に踏み切りました。
この時、地元住民も協力をしています。

相当な人員だったと思います。
周囲を見渡せば警察だらけです。
警察が視界に入らない事などありませんでした。
私達地元住人が、まず最初に探したのは『タンク山』です。

あの辺りで人間を隠せそうな所と言ったら、タンク山くらいしか無いはずです。
誰もがこのタンク山を、見て周りました。
公開捜査では、誰もタンク山で遺体の『胴体部分』があった事など目撃できませんでした。

ちなみに、警察は警察犬を導入して探していました。
公開捜査を止めた翌日に、そのタンク山で胴体が目撃されたのです。
確か、私が見た新聞では、こんな見出しだったと思います。

『遺体の服を着せかえる?』

そうです。
この前夜は雨が降っていました。
新聞によれば、衣服に乱れが無い事、土が付着していない事、そして濡れていない事から、

「別の場所で殺害し、公開捜査が終わった翌日に、胴体をタンク山に捨てた」

と警察は考えているようだ。
みたいな事が書かれていました。

しかし、いざ犯人が捕まってみれば、
「タンク山で殺害し、タンク山で首を切断。
その後、タンク山のアンテナ基地内に胴体部分を移した」
という事のようです。

タンク山のアンテナ基地内というと、文字だけ見れば発見し難く見えるかも知れませんが、金網張りになっているだけです。
外から見てすぐに分かるんです。
タンク山は歩道のようなものがあって、そこを辿るだけでアンテナ基地を正面から捉える視点になるんです。

したがって、そこに本当に遺体があったのなら、地元住民が見逃すはずがありません。
ましてや、警察犬が見逃すでしょうか?
恐らく検索すれば分かると思いますが、この時の新聞にはこうも書かれていました。

『用意周到な犯人が、珍しく焦りを見せていた。
靴の片方が脱げ落ちており、片足がアンテナ基地内からはみ出していた』

この状態で死体を見つけられない事なんて、ありえるのでしょうか?
さらにこれも検索してもらえれば分かると思いますが、
『少年A(容疑者)がJ君の首を切断した日は日曜日。
しかも、公開捜査中の真昼間』
という事です。

このタンク山は、散歩コースに使っている人も多いのです。
そこで、どうやって首の切断に成功したというのか・・・

少年Aが真犯人だとして、首の切断、移動は上手くやってのけたとして、胴体部分をどうやって誰にも見つからずに移動したのでしょうか?
胴体が公開捜査で見つからなかった事からも、後からそこに『置かれた』のは、ほとんど明らかです。

私はこの事件が一番怖いです。
日本警察の怖さを知りました。

ちなみに、この事件を担当した兵庫県警は、あの『グリコ森永事件』と、もうひとつ過去にあった大事件を、未だ解決出来ていません。

その後に、また大事件が起こってしまっただけに・・・

神戸連続児童殺傷事件(wikipedia)

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