五年前に死んだ祖父がよく言ってた話。
今から60年以上前で戦時中で神戸であった話だそうだが、ある日、祖父が空を見上げたときに白い布みたいなのが飛んでた。
よく見てみると布ではなくて顔も体も真っ白な人だった。
それがすごく高い所でヒラヒラと飛んでいた。
不思議に思ってみていると、白い人が一人、また一人と増えていった。
すごい高い所だから表情なんか確認できるはずないんだが、なぜか泣いているように感じた。
白い人は十人くらいになると手を繋いで輪になってクルクルと上空で回っていた。
その光景がすごく美しかったそうだ。
そして、その集団はゆっくりと移動して建物の陰に隠れ、必死で探したが、もう見つからなかった。
その光景を目にした二日後に広島に原爆が落ちたそうだ。