山道のおばあさん

山道のおばあさん 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

俺の実体験だが。
思い出すと今でもものすごく怖い。

厨の時、家族で釣りに行ったときの話なんだが、早朝4時か5時くらいに紀伊長島の山道を車で走ってた。
片側が山で、もう片方にガードレールがある。
そのガードレールの向こうは崖になってて、ずーっと下に海があった。

もう延々と家一軒もない1本道を何十分も走ってた。
そんな場所なのに、ガードレールの横に突っ立ってる人がいたんだ。
近づくにつれて、おばあさんだって分かった。

荷物もなんも持ってなくてただ立ってるから、その人を通り過ぎてから50mくらい先で父親が車を止めたんだ。
その人3月でまだ寒いのに薄着だし、父親は遭難か何かだと思って声かけにいってくるって言ったが、母親はすごく不気味がって反対した。

俺はずっとおばあさんを見てた。
次の瞬間おばあさんがこっちをむいて手招きした。
このとき絶対ヤバイと思った。

両親も幽霊なんちゃうん?と言い始めた。
しばらく3人でそのおばあさんを見てたんだ。
そしたらそのおばあさんが突然ガードレールにもたれかかって、腹をガードレールに乗っけてぶらぶらとぶら下がったんだ。

分かる?
ちょうど洗濯物が干されてるみたいに。
もう一度言うが、ガードレールの先は崖だ。
そんなとこでぶらぶらやってんだよ。不気味杉

もう親も俺もパニックで、急いで車を出した。
もう一度振り返ったときにはもういなかった。