お姉さんは凄く勉強が出来て常に学年でトップでした。
親戚のひと達も東大や一ツ橋なのでその優秀さがおわかり頂けるかと。
しかし、いつも独り言を言っていました。
その姿を見た人は
「ああ、暗記の勉強をしているのかな?」
位にしか考えませんでした。
お姉さんが高校に入った頃です。
相変わらず独り言は続いていました。
ある日、近所のおばちゃんが訪ねてきました。
お姉さんは庭にいて何かぶつぶつといつもの様に独り言を言っていたそうです。
お母さんが留守だったので用事を果たせなかったおばちゃんはお姉さんに話しかけました。
「●●ちゃん、いつもお勉強頑張っているのね。
やっぱり声に出して繰り返したら覚えが早くなるの?」
するとお姉さんはおばちゃんに意外な答えを言ったのです。
「違うわよ。お勉強じゃないの。私はお友達とお話してるのよ」
えっとおばちゃんは思いました。
だってお姉さんのほかには、誰もいなかったのですから。
気味が悪くその日はおばちゃんはそそくさと帰りました。
そしてあのお姉さんは少しオカシイと噂が立ちはじめ、お母さんの耳にも入る事になります。
そして娘に何であんな事を言ったのか尋ねました。
するとお姉さんは
「嘘じゃないよ。●●ちゃん、●●叔母さん、遊びに来てるよ。
でもいつもお母さんが居ない時に限って訪ねてくるんだよね」
とお姉さんは何人か名前を言いました。
お母さんはびっくりしました。
その人達は皆亡くなった人達だったからです。
信心深いお母さんはこの娘は頭がおかしくなってしまったとお払いもしましたが、お姉さんの独り言は酷くなる一方でとうとう精神病院に入れられてしまいました。
皆さん、例え、見えたり、聞こえたりしてもむやみに他人に言ったりしてはいけませんよ。
さもないと取り返しのつかない事になるかも…
特に一族が優秀なら尚更のこと。