6、7歳の男の子達が5人、外でかくれんぼをしていました。
「いーち、にぃー、さん……もーいいかーい?」
「まーだだよー」
K君は、近辺に隠れ場が見当たりませんでした。
少し歩いて行くと、不気味な小屋がありました。
小屋の前に生えている、鬱蒼と茂る雑草をかき分けると、K君は古く錆びている旧型冷蔵庫が目に入りました。
「ここなら隠れられる!」
とりあえず冷蔵庫の中に隠れる事にしました。
古い冷蔵庫でしたが、扉の部分は頑丈そうな冷蔵庫だ、そうK君は思いながら、冷蔵庫を開きました。
中には何も入っていません。
K君は頭を縮ませて、両足を体操座りする様な形で冷蔵庫に入りました。
『ガッシャン…』
扉は静かに閉まり、K君の目に暗闇の世界が訪れました。
…
しばらく経っても誰の声もしないので、K君は不安になり、外に出ようとしました。
しかし押しても押しても、扉は開かないのです。
「あれっ!何で開かないんだよぅ!」
ドンドンと手をグーにして扉を叩きますが、開きません。
そうする内に、K君の瞳に涙がじわ~っと溜り、涙声で助けを求めます。
「助けて!助けて!」
雑草が生い茂っている為、ここの小屋に近付く人は必ずとも言って良い程居ません。
助けを求めて、1日が経ち、K君は疲れ果てて寝てしまいました。
季節は冬で、しかもこの時朝早くから雪が降っていたので、冷蔵庫の中は、外と変わらぬ位の気温になっていました。
そのまま、K君は目を覚ましませんでした…。
それから、K君の両親、友達は必死にK君を探しましたが、結局は見つかりませんでした。
半年後、小屋の主が古くなった小屋を壊しに来た時、冷蔵庫を開けると、体操座りのままの凍ったK君が、体が腐った状態で居たようです……
今、作られている冷蔵庫は内側からも開く事が多いらしいですが、昔に作られていた冷蔵庫は完全に開かないそうです……