親切な車

忘れもしない二十歳の誕生日、よりによって深夜。 山道をドライブ中、些細な口論から彼氏の怒り爆発、山頂(?)の駐車場に置き去りにされた。 友達か警察に連絡しようかとも考えたが、後々語り話で「真夜...

従姉の葬式

おれが小学3年生のときに、母の従姉が死んだ。 母の従姉と言っても、死亡当時は中学生だった。 俺はその家に行くと、よく面倒を見てもらっていた。 俺はそのお姉さんによくなついていた。 葬式...

無音の集落

仕事の関係で横浜からS県S市にある社宅に引っ越してきた。 こっちに来て3ヶ月、ようやく周囲の環境にも慣れ、休日もまともに取れるようになった。 そんな土曜日の朝、身体を鍛えるのが趣味な俺は、ラン...

エクスカリバー

ゲーム好きな人なら『エクスカリバー』って、一度は聞いたことがあるんじゃないだろうか。 洞窟の奥深く、地面に刺さるその剣は、選ばれた勇者にしか抜くことのできない…みたいな感じの。 でも俺にとってエク...

昨日までの兄

小学校に上がる前だと思う。 ある朝に目を覚ますと、隣で寝ている兄以外、家に人の気配がなかった。 家中を見て回るが誰もいない。 不安になって兄を起こそうと声をかけ、肩をゆするが目を覚まさな...

般若の面

なんとなく思い出した話がある。 小学校5年生頃、エアーガンでサバイバルするのが仲間内で流行っていました。 障害物・身を潜める場所が多い場所を考えると結局はそこら辺の山に決定する。 毎回同じ場...

山から浮かび出る光

私は航空自衛隊でパイロットをやってる者ですが、先月奇妙な体験をしたので聞いてください。 それは私と僚機の二機で、地形慣熟飛行の訓練を行っていたときのことです。 場所は中国山地上空、時間帯は18...

幻の集落

とりあえず自分のシャレにならん話しを一つ、 あれは今から4.5年前、当時大学生だった私は授業の後手に入れたばかりのバイクで八王子周辺を乗り回すのが日課でした。 その日もいつもと同じ様にバイクに...

化生の物

むかし、むかしのことじゃ。 わしのじいさまのじいさまが山の夜道を、馬を引きながらタバコをぷかぷか葺きながら歩いておった。 じいさまは町へ定期的に野菜やらを売りにいっておってな、その帰り道じゃったん...

黒い影

私は保育園の先生をしてるんだけど、今さっき、今日お休みした子供の所に、手紙届けて来たんだよね。 その子の家は、超田舎町の古臭い集合住宅。 そしたら留守みたいでさ、電気もついてなくて、車も無い。...

深夜の墓地

高校生の時に長期連休は従兄弟の家に遊びに行っていつも夜中までゲームしてたんだよね。 従兄弟の家はまあまあの田舎でコンビニとか徒歩30分ぐらいかかるような場所でさ。 んでいつもジュースとかお菓子は必...

赤と黒のハイヒールのおばさん

もう数十年程前の話になるが、私が2~3歳ぐらいの頃だと思うんだけど、母親に連れられてよく近くの公園に行ってたんだ。 そこでいつも会うおばさんが二人いたんだ。 一人はいつも赤いハイヒールを履いて...

奇妙な顔

去年の冬、深夜映画を見ていたときのこと。 映画を見ている時は、何故か腹が減る。 こたつの上のみかんに手を伸ばす俺。 すると、テレビからプツッという音と同時に一瞬画面に砂嵐が走った。 ど...

ゴブリンの右手

大学のサークルの先輩が面白いものを手に入れたと言ってきた 俺は何ですか?と 先輩はニヤリと笑ってこう言った 「ゴブリンの右手だよ」 俺は驚いてこう聞き直した 「え?ゴブリンってあ...

メロン売り

今から5年位前かなぁ。 学生アルバイトで俺はテレビゲーム屋の店員をしてたんだ。 その時店内には、店長ともう1人のバイトの人間がいた。 その日は休日だったが客の入りは良くなかった。 しばらく...