白い人達

それは僕が6歳になった夏の事です その日は母と2人でご先祖様の墓参りに二人で行きました。 暑さのせいか、お盆だと言うのに僕と母しか人はいません。 とても良い天気でせみのうるさい声と大きな入道雲・...

夢で見た光景

小学校の汲み取り式トイレの裏で遊んでいた。 壁に立てかけられた鉄の棒を使って、汲み取り口を開けて中を覗いたりしていたんだ。 低学年の男の子が来た。 うざい位にまとわり着いてきたんで、汲み取り口を...

年神様

『年神様』って知ってる? 大晦日の晩に、「ほとほと、ことこと」と家々の戸を叩いて回るといわれている神様。 私は中1の時、その経験をした。 東京都中野区の祖父母の家。 大晦日の晩で、その年は...

渡し賃

ある家族がいた。 その家族は祖父・祖母・父・母・子 という家族構成だった ある日祖父が死んだ。 焼く時には三途の川の渡し賃6文を一緒にいれるのが習わしだが現代そんなものは手に入らない。 だ...

子供の声

学生時代、ボロイアパートに住んでいた。 子供が死ぬほど嫌いだったから、不動産屋に「子供の声が一切しない、墓場みたいな静かな場所ぎぼんぬ」ということで探してもらったアパートで、予算も二千円オーバーだっ...

天井のシミ

少し長くなりますが、私の体験した怖い話をさせて下さい。 私はとある地方の国立大学の職員です。 国立大学は数年前に独立行政法人となりましたが、職員の身分は「準公務員」というもので、基本的には国家...

エンマと渾名される男

某所で建築関係の仕事をしている。 とある工場でプラントの監理で働いている時の話である。 その工場の建築監督官の中にエンマと渾名される男が居た。 いつもメモ帳を持ち歩き(閻魔帳といわれてい...

夜中に見たハサミ

沖縄のある有名ホテルに宿泊したのだが部屋に入ると壁には茶色い血のような染みがあり、洗面所には髪の毛の絡まったヘアピンが落ちていた。 その部屋はなんとなく空気が重く気持ちが悪かったが、疲れていたことも...

家の電話

ほんの1~2時間前の出来事なんだが聞いてくれ。 俺は姉と二人で暮らしてるんだが、今日俺が鍵を忘れて家に入れなかったわけ。 んで駐車場に車があったから姉は帰ってきてるなと思い、何回かピンポーンを...

前を歩く男

春の新緑の中、単独で下山していました。 山は登る時は意気揚々としていますが、下りは虚しいものがあります。 また、単調な下りは疲れるものです。 ただ新緑の林の中を黙々と降りて行きます。 気づ...

婆さん

昔、彼氏と沖縄の民宿に泊まったときの話。 泊まるとこをいきあたりばったりで探していて、ボロボロの民宿だったんだけど、『素泊まり二千円』の看板に惹かれ、その民宿のチャイムを鳴らした。 出て来たの...

侵入者

最近暑くなってきたよな。 俺は軽度の潔癖性みたいなんで常に手や顔はさらっとしておかなきゃ嫌なんだ。 だからこの季節洗面所を行ったり来たりしている。 洗面所には小さな格子付きの窓があって暑いか...

移動販売のトラック

K氏が、山奥の集落へと向かった時の事。 集落の片隅にある原っぱで、数人の老人たちが集まって何やら話し込んでいた。 何の集まりですかと聞くと、ひとりのお婆さんが、移動販売のトラックを待っていると答え...

大広間

父方の叔母から聞いた話です。 父の実家(田舎です)は代々裕福な家だったものの、大正ごろにすっかり勢いが失せてしまったそうで。 けれども、古い大きな日本家屋だけは栄えていた当時の面影を残していま...