夢の中の子供

夢の中の子供 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

小学校の時の話です。
3年か4年ぐらいの時のことです。

友達と夢について話してました。
自分が見た怖い夢のこととかそういった他愛もない話です。
友達はみんな色々話をしていたんですが、自分は夢を見ると言うことがあまり無かったので(記憶に残らなかった?)

「俺、全く夢見たこと無いんだよねー。」
「マジで?絶対見てるだろー。」

とか笑ってやり取りをしていました。

多分それからしばらくしてそんな話をしたことも忘れてた頃です。
初めて鮮明に「夢」を見たんです。
こんな夢でした。

自分が家庭教師をしています。
大学生位に見えます。
教えている子供は幼稚園かそれより小さい位だと思います。
自分は英語を教えてるんです。
もちろんその時の自分は英語なんか話せないしアメリカに行ったことも無いです。
なぜかその家が母子家庭ということまで分かりました。
ここで「夢」が終わりました。

早速次の日そのことを友達に話しました。
初めて夢を見たことが嬉しかったんです。
でも、当然友達の反応はこんな感じでした。

「それで?どうなったの?}

当然私は答えられなくで「そんだけ。」と言って終わりました。

そして、6年生の頃、骨折でなぜか入院させられました。
当時受験も控えていたので安静にと言う判断でしょうか。
とにかく入院中にまた「夢」を見たんです。
前の「夢」の続きです。
前に見た「夢」の事なんかほとんど忘れてたんですが、最もその時までに何回も別の夢も見ていたんですが。

今度は家庭教師をしている家の母親と話しています。
食事をご馳走になっているみたいです。
横では子供が座っています。
まとめるとこんな感じです。
その家庭は母子家庭で父親がその子が生まれる前に死んでしまい、遺産を受け継いだため自分は仕事も持たずに都内の一等地で楽に暮らして行ける、と言ってました。

どうやら教育熱心の家庭らしく本棚には百科事典などが並べて在りました。
食事が終わり子供部屋に移って英語を教え始めました。
なぜかその時も自分が知らないはずの英語が出てくるんです。
そんなことはどうでもいいんですが。

しばらくして自分が家に忘れ物をしていることに気づいたんです。
「しばらく待っててな。」と子供に言いました。
そして子供部屋を出て母親に一言を言って家に取りに行きました。

次に急にシーンが変わって自分の家になりました。
忘れ物が見つからずその家に電話を掛けるのですが誰も出ないんです。
まぁいいだろうと思って忘れ物を探すと程なくして見つかりました。

また急にシーンが変わり家に到着してるんです。
そしてドアを開けると異様な雰囲気でした。
世界が変わったような、そんな感じでした。
おかしいなと思いつつ子供部屋に向かいました。

そして、子供部屋に入るとそこはまさに地獄でした。
母親が殺されているんです。
いや、本当に驚いたのはそのことではなかったんです。
横に子供が座っていました。
泣いてるんじゃないんです。
無邪気に笑顔で座っているんです。

気が動転しながらもざっと周りを見渡しました。
百科事典が散乱していてその中の昆虫の解剖(標本)のページが開けられていました。
隣には血に染まった包丁が転がってました。
さらに親の料理の本でしょうか、その本があります。
その本を見ると何の料理だか分からないんですが書いてありました。
戦慄を覚えました、まさにその本に書いてあるとおりに母親の切り裂かれたおなかの部分にみかんが並べられてるんです。
楽しんでるんです。この行為を。人を殺すと言う行為を。

子供はまだ隣で無邪気な瞳で私の方を見ています。
私は恐怖を覚えました。
でも「夢」の中の自分はその子供に近づいて行きました。
そしで無言で子供を抱きしめているんです。

そして、私はしばらくして子供にこういいました。

「ちょっと待っててな。」

そして警察に通報しました。
急にシーンが移りました。警察が到着しています。
子供が連れて行かれているので私が、

「一緒についって行ってもいいですか?」

と言いました。
その時はすでに何か映画を見てるような感覚でした。

車の中で隣に座った子供が話しかけてきました。

「お前はこの子が誰だか分かるか?」

驚きました。
子供の声ではないんです。
実際子供はしゃべってませんでした。

そこで急に目が覚めました。
分けがわからず怖い夢を見たなー、と思いました。
でも最後の一言が気になりました。
急に頭の中に響いてきた声でした。
意味も分からなかったんです。

そしてしばらくしてから退院しました。
私は親に言いました。

「ねぇ、アルバム見せて。」

親は意味がよく分からないのか「何のアルバム?」と聞いてきました。
私は「子供の頃の。」と言いました。

これで「夢」に出てきた子供が子供の頃の自分の写真だったら良かったんですが、違いました。
私はあの「夢」は何なんだろう、と思いつつアルバムをめくっていきました。

すると、おかしな事に気が付きました。
私には1つ違いの兄がいます。
その兄の子供の頃の写真と私の子供の頃の写真が似ているんです。
前に戻って写真を取り出して比べて見ました。
同人物でした。
慌てて比べてみました。
すると自分の写真が6歳ぐらいからしか無いんです。

それまで私は昔のことといえば小学校の入学式からしか記憶が無かったんです。
別に対して気にも留めてなかったんですが。
必死にそれ以前の記憶をたどっても思い出せません。
呆然と6歳の頃の写真を眺めていました。
なんだか「夢」に出てきた子供に似てるんです。

私は分けが分かりませんでした。
自分の子供時代はどうしたんだろう、と思いました。
なぜ親は私の子供の頃の写真があるように見せかけているのだろう。
分けが分からず親に聞けるわけもなく時は過ぎていきました。
そのことはずっと気になっていました。

現在、成長し私は中学の頃英語に興味を持ち必死に勉強しました。
別にその「夢」の事とは関係ないんですが。
ただ単に好きになった女の子が帰国子女で、なぜか自分もその女の子みたいになりたいと思ったのがきっかけでした。
高校で一流と呼ばれる大学の付属校に進学しました。
そして、大学内部進学を控えた今、家庭教師を、友達と一緒に始めようとしています。
すべて「夢」に出てきた通りに人生が進んでいってます。
英語の家庭教師ということです。
どういうことでしょうか?

このまま家庭教師をやるとあのようなことになるのでしょうか?
それともあの子供は自分だったのでしょうか。
一応終わりです。

訳が分からないとは思いますが、どういうことでしょうか?
自分は子供時代は全く記憶がないです。
さらに記録にも残っていません。

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