先日、田舎住まいの親戚が蔵を整理すると言うので、見に行ってみた。
埃だらけの蔵の中、ボロボロに朽ちた雛人形が……
ここでドン引きしたら人形者の名が廃るとばかり、親戚に断って雛を引き取ってきた。
雛さんだけ。
内裏さんは原型とどめていなかったから。
で、持ち帰って何週間かかけてメンテして、やっと見場が良くなったころ…
昼寝中、金縛りにあった。
金縛り中、シャンシャンと小さな音といっしょに、なにか甲高い声が聞こえてきた。
何を言っているのかはわからないけれど、ヒステリックに怒っている感じ。
そのうち足先や指先から痺れてきて、首から下の感覚が麻痺。
泣きそうに怖かったけど、金縛りなんでどうする事もできず耐えていたんだけど、そのうち眠ってしまったらしい。
(気絶したような気もしなくもない)
気が付いたら夜中。
金縛りの理由を考えて、「やっぱり雛?」の結論に達した為、親戚に電話してみた。(深夜なのに)
親戚いわく、蔵整理で出たゴミは焼いてしまったとのこと。
当然、朽ち果てていたお内裏さんとその他家来たちも…。
電話を切って、さてどうしようかと自室に戻ったら、雛が棚から落下していた。
首が抜け、首だけ部屋の入り口に転がってきていた。
再び気絶しかける。
……これは雛の意思表示だろうと、後日、親戚の家に持参し、親戚と相談の上で焼きました。
焼いた跡に甘酒と桃をお供えし、丁重に謝りました。
やっぱ、セット物を引き離しちゃいかん、と言う事ですかね。