この話は、私が実際に体験した話ではないですが、 私のいる周りで起きた話です。
今から、どれくらい前になるでしょうか・・・ 6,7年前の私がまだ高校2年の時の話です。
修学旅行で、長野県のある旅館に宿泊することになったのです。
季節は冬、修学旅行の内容はスキーでした。
修学旅行に行く前、私はT先生から、気になる話を聞いていたのです。
その話の内容とは、
「前の学年も同じ場所に修学旅行に行ったのだが、 その旅館で霊現象が起こった」
というものでした。
どういう霊現象なのか問いつめてみると、部屋の角、 テレビのおいてある場所の後ろから
バチッ!! バチッ! バチバチバチッ!!
とゆう音がしたそうです。
最初、テレビの調子が悪いか、壊れてしまったか、考えてたそうです。
すると・・。
今度は、違う角から、同じ音がするのです。
バチッ! バチバチッ!!
そこには、テレビも音の発生するようなものは無い。
するとまた、違う角から、 バチッ!最終的には、その部屋全体が、バチバチうるさいほどのラップ音が、 鳴り響いていたらしいです。
T先生は、
「お前達が泊まる旅館は、前の学年とは違う 向かい側の旅館だから、たぶん大丈夫だろう」
と、言っていました。
大丈夫なら、こんな文章作っていません。
修学旅行何日目だったでしょうか・・・・
ある部屋の生徒がT先生に相談があると話かけてきました。
T先生は、生徒同士のささいな問題だと最初は思っていたのですが・・・
生徒「先生・・・ちょっと部屋変えてほしいんやけど・・・・」
T先生「どうしたんや・・・?」
生徒「実は・・・信じてもらわれへんかもしれんけど、 夜、寝てる時に、帽子をかぶった中年位の男の人が、窓にへばりついて、部屋を覗いてんねん・・・・他の奴は気づいてないらしいねんけど・・・
俺・・・怖くて寝られへん・・・」
スキーの出来る季節の冬の夜中に、いくら悪趣味とはいえ、 男子生徒の部屋をのぞく!?
その生徒の部屋は4階にあるにもかかわらず・・・・。
人間業ではない!!
T先生は、生徒達の混乱を防ぐ為、その生徒に他の生徒には他言してはいけないと、伝えたそうです。
しばらくして、一時間も経っていない時に、違う生徒がまた、T先生に相談があると言ってきたのです。
その内容を聞いて、T先生は驚いたそうです。
「夜、帽子をかぶった男が、窓にぴったり、 へばりついて部屋を覗いている。
気持ち悪くて寝れないから、 部屋を変えてほしい・・・」
という、内容でした。
前の生徒に聞いてみても、他の生徒には、言っていないという・・・。
T先生は、ふと、気づきました。
最初に部屋を変えて欲しいと言ってきた生徒の部屋と、 次に部屋を変えて欲しいと言った生徒の部屋。
階は違うが、最初に部屋を変えて欲しいと言ってきた生徒の真下の部屋が、次に部屋を変えて欲しいと言ってきた生徒の部屋だったのです。
これはちょっとやばいかも・・・T先生はそう思ったそうです。
人間というものは、「決して言ってはならない」と言われると、 言ってしまいたくなる生き物なのだろうか・・・。
二人の生徒と、T先生しか知らないあの、「窓の男」・・・。
いつのまにか、 他のクラスの生徒にまで、知られてしまっていた。
興味本位や、あそび心で来る生徒がほとんどである。
やれ、どのへんで見たの?とか、どんな奴だったとか・・・。
部屋の生徒たちは、野次馬達に、うんざりしていただろう。
そのうちの、何人目かの女子のグループの中のSさんに、異変が起きた。
その「窓の男」の出る部屋に行ってから、頭痛が止まらないという。
しまいには、高熱をだしてしまった。
医者に見てもらっても、原因がわからないという・・・。
しばらくの間、安静にしておくことの対処しか、医者にもできなかった。
しばらくした後、Sさんの友達がT先生のところに来た。
もう、夜中である。
Sさんが、なにやらおかしいので、みてほしいとのことだった。
Sさんのいる部屋を開ける・・・。
Sさんが、なにやら、ぼそぼそつぶやいている。
T先生はSさんを見た瞬間に、霊に憑依されているのが、一目で分かったという・・。
後で聞いた話なのだが、T先生の母親は、霊媒関係の仕事をしており、T先生も、人より霊感が強かったのである。
T先生は、Sさんを助けるため、したこともない除霊を試みた。
T先生「お願いです、なんの恨みがあるのかわかりませんが、この子(Sさん)には何の罪も、ありません。どうか、この子から離れ、 成仏して下さい」
Sさんの手を握りしめ、懸命に祈った・・・。
すると・・・。
Sさん「お前には、無理だ!」
T先生と周りの友達は、驚愕した。
そのSさんの声は紛れもなく、男の声だったからである。
T先生は、それでも、一生懸命祈り、除霊をした。
ようやく、霊も去ったのか、Sさんはもとにもどった。
楽しい?修学旅行も終わり、帰りのバスの中での事・・・・。
T先生が、生徒達に色々説明している。
「トイレは早めに行っておけ」だとか、
「あまり騒がしくするな」とか・・・。
でも、なにかいつものT先生とは、違う・・・。
一人の生徒がそれに気づいた。
T先生は、全くとして右側を見ないで、生徒に説明をしていたのである。
右側・・・何があるのだろう・・・ふと、その生徒は右側後ろを振り返った。
なんと、あの窓にへばりつく男が、バスの窓にしがみついているではないか!!!
そう、・・・最悪の事態である。
ついて来ているのだ・・・。
このあと、この生徒達は、身を寄せ合いながら、無事に帰路についた。
ある日の学校・・・・
Sさんは、こともなげに、こう言った・・・
「今でも、あの男の人(窓の男)家にあそびにくるねん・・・
女の人と子供連れて・・・」