母の実母

母の実母 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

私の母と祖母(故人)の話。

母と祖父母は本当は血が繋がっていず、母の実母は未婚で母を産み、女手一つで母を育てていたそうです。
その実母も母が3歳の時に病気になり、訳あって血の濃い親族に頼れない状況で、血が繋がらないほど遠縁だけど子供のいなかった夫婦が、一時的に母を預かる事になりました。
結局、母の実母は病状が重くなって、間もなく亡くなられたそうです。

その頃には母に情が湧いていた遠縁夫婦は、他の親族の反対を押し切り母を引き取って育てました。
それが私の祖父母となりますが、生前の祖母と母は本当の親子みたいで、祖父も今は痴呆になってしまったものの、元気な時は私も本当の孫として可愛がってくれてました。

母の実母が亡くなって間もない頃、祖母は幼い母を寝かしつけながらその横で添い寝をしていて、ひょいと前を見ると、半分透き通った女の人が母の横に座ってじっと母を見つめていたそうです。
祖母は母の実母とは母を預かりに行った時に一回きりしか会っていず、(実母は伝染性の病気だった)その女の人も透き通っていたので顔がはっきり判らなかったものの、祖母は母の実母がまだ幼い娘を心配して出てきたのだと感じて、心の中で必死で『どうか安心して下さい、この子は私たち夫婦が必ず幸せにします』と訴えたら、いつの間にか居なくなっていたとか。

この話は母が思春期の頃、一時ぐれかけた時に祖母がしてくれたそうです。
祖母としては、母が実の母親にも愛された存在であった事を言いたかったんだろうと思いますが、確かに母はお陰でぐれ切れなかったそうです。
もっとも理由は、実母の愛情と言うより、「ぐれて実母に化けて出てかられたら怖かったから」だそうなw

祖母が亡くなってしまった今では、その話が本当かどうか判りませんし、母の実母の墓も直系の親族と没交渉になってしまっている今では、知る由もないそうです。

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