小学生の頃、近所の神社で遊ぶのが日課だった
神社といっても凄く小さくてボロい感じの神主さんとかもいないようなトコ
その日もいつものように4~5人で集まって鬼ごっこやかくれんぼで遊んでた
大分日が暮れてきたので最後に俺が鬼やって終わることに
いつも通り一番デカイ木で数を100数える
勿論、小学生の数え方だ
100秒も経たずに数え終わる…はずだった
40過ぎた頃からだろうか
風に吹かれる木々のざわめきに混じってクスクスと笑い声が聴こえる…気がする
ふっと周りを見てみるが特に何もない
早く見つけて帰ろうと思い続きを数えだす
100まで数えスーッと息を吸い恐怖を打ち消すかのように大声で叫ぶ
『もう良いか~い?』
(ま~だだよ~)
微かに聴こえる友達の声に少しホッとしながら続ける
『もう良いか~い?』
………………
『もう良いか~い?』
………………
最後に確認の為もう一度繰り返す
『もう良いか~い?』
「はやくしろよ」
不意に耳元で囁かれたような野太い声に心臓がバクバク鳴る
恐る恐る周りを見ても誰もいない
怖くなった俺は入り口に停めた自転車までダッシュで戻った
すると何故か皆そこに集まっていた
皆もそれぞれ変な声を聴いて逃げてきたらしい
それ以来その神社で遊ぶ事はなくなった
耳元で聴こえた声と奥から聴こえた友達の声は一体何だったんだろうか