5年前の話だ。
時計を見るといつも同じ時刻が表示されていてだんだん気味が悪くなったことがある。
そのころの俺は、いそがしかったしたいして問題視もしていなかったが、あまりにも繰り返し同じことが起こるのでその現象にたいして少し意識はしていたように思う。
ふと時計を見ると10時45分。
午前・午後は関係なくそれは起こった。
そのうち俺も慣れてきて時計を見ようとする瞬間に「ああ、どうせ10時45分だな」という境地まで達した。
ある日大学時代の友人から電話が来て、久々だったのもあり大いに盛り上がった。
酔っていたこともあり調子に乗った。
俺は「最近不思議なことがあるんだよ」とその話を友人に振ってみた。
しかし反応がない。
「どうしたんだよ?」
と聞きながら俺はふと時計を見た。
友人が「それ、俺もなんだ」と言った。
時刻は夜の10時45分。
その瞬間、家中の蛇口が全開になり水がザーザー出た。
いまだに良く分からない俺の不思議体験。