高校時代6人で旅行に行った、旅行っても近場で自宅から1時間くらいのところにあるホテル。
そこに行くまでには森みたいな所を通るんだけど自称霊感がある友人3人は「あの木の陰にいる~」「こっちを見てる~」「見える?ほらあそこにも」ってかなり盛り上がってた、肝試しに来たわけじゃないんだけどね。
まぁいつもの事なので「ふ~~ん」ってほっといた。
ホテルに着くと大きめの部屋に案内され荷物を置いた。
友人3人はクローゼットとかベットのしたとか部屋中を調べて「この部屋は大丈夫だね」って確認しあってた。
夕食までに時間があったので中庭にでてゆっくりしようと言う事になった霊感有り友人達は綺麗だね~なんてベンチに座って話してる。
私と後の2人はちょっと離れたところで話をしていた。
夕日が綺麗だな~って思ってたらなにやら右手が重い。
「えっ」って思って右手をみたら知らないおじさんがしがみついてる。
首を少し傾げ下から覗き込むように笑っているのかいないのか分らない口元
誰も反応なし、って事はこのおじさんの事が見えていない?
私は霊感有り友人たちとおじさんを交互に見た、にっこり笑って手なんか振ってくれてる。
やっぱり見えてない!!
「ひぃっっ」って思った時に一緒にいた2人の1人が右腕を掴んで
「大丈夫? 男?女?」って呟いた。
私は「男……おじさん」としか答えられなかった。
友人は私の腕をつかんでホテルの中に引っ張って行ってくれた。
「たぶん『あれ』はあそにしかいられないからホテルの中なら大丈夫だよそんなに悪いものじゃにと思うし……腕しか見えなくて腕が細いから男か女か分らなかったよ」って、そして「あんまり人には言わないでね」って寂しそうに笑ってた。