隣の空き家

隣の空き家 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

子供の頃、隣の家が引っ越して空き家になった。

なんやかんやで、ウチが買いとることになったんだけど、家はそのままで、倉庫代わりにして使っていて、俺は、よくそこへ入り込んで遊んだ。

その日も、友達2人と2階の一室で遊んでいた。
その部屋には大きなベッドが置いてあって、クッションもそのまま残っていたんで、その上でプロレスごっこをしていた。
そこの押入は上下2段に別れていて、その横までズラしたベッドに、上段からジャンプして空中技を決めたりしてた。

ちょっと疲れたんで、休憩しようってことになって、俺ともう一人はベッドの上、もう一人は押入の上の段に座って足をブラブラさせてた。
なにげに下の段の奥に目がいった。
そっちの側はフスマが閉まっていたんだけど、その暗がりに、人の足が見えた。
ちょうど体操座りみたいな格好の、すねの部分から下が白く見えている。

その足が奥に動いて見えなくなり、替わって手が現れて、やがて、こっちに向かって四つんばいになった子供の姿が見えた。
目が細く、中国の人形のような顔の女の子で、なぜか裸だった。
他の2人は気付いておらず、俺だけが、その子がこっちへ向かって這い寄ってくるのを見ていた。

女の子は、押入の上段に座っている友達の下まで来ると、いきなり、ブラブラさせている足を掴んで引っ張った。
友達は、下の段に足を引きずり込まれるようにして、腰掛けていた上段から落下、ベッドの角で顔面を強打した。
鼻血を出して泣いている友達を見て、俺ともう一人はパニックになり、しばらくオロオロしていた。

その時には、もう部屋の中に女の子はいなかった。
結局、親を呼んで友達を病院に連れて行った。
幸いケガはたいしたことはなく、鼻血もすぐに止まったので、友達は家に帰った。

それからも、その家で遊んでいたけど、怖い目にあったのはそれっきりだった。

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