霊感

霊感 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

私が夜の仕事をしていた時に実際に体験した話です。

その頃、私は夜の仕事を初めて半年程でしたのでお客さんもまだまだ少ない時期でした。
私はお客を増やしたい一心で色々な事をしていました。
通称キャッチと呼ばれるナンパはもちろんの事で、その頃流行り始めていた出会い系サイト等もしました。
ちょうどその頃は怪談等が話題になるような夏の時期でしたので私は怪談ネタで女性を楽しませたりしていました。

そんなある日、出会い系サイトで知り合った女性Aさんが「私、霊感があって霊が見えるの」と言うのです。
私は自分が実際に見た事がなかったのであまり信用していませんでした。
ところがAさんが私のお客さんになり、よく会うようになってから半月程した時からでした。
私の身に怪奇な事が次々と起こり始めたのです。
それまでに一度もなった事のない金縛りに突然襲われたのです。
金縛りに馴れている友人のTに疲れてるとよくなると聞いていたので、最初私は「あぁ疲れがたまっているんだろうなぁ」程度に思いました。

ところがそれから毎日私は金縛りに悩まされるようになりました。
そしてある日突然、起きていて部屋のソファーに座った瞬間”ビシッ”と体の自由が奪われました。
そして私の影が正面にむかって伸びたのです。
この時私はソファーに座った状態で南側を向いていたのですが、その状態で影が正面、つまり南側にむかって伸びたのですが、それはありえないのです。

何故なら私の部屋は西側と東側に窓があり、その時は夕方でちょうど西日が射し込んでいたので通常の影なら東に伸びるのです。
もちろんソファーの後ろは壁なのです。

そして、次第に影は激しく揺れ始め、私の視界もぼやけてきたので、これは何かマズイと思い意識を保とうと集中しました。
1~2分程たった時でしょうか、次第に視界が元に戻り影もなくなっていました。
私は安堵の息をもらしました。
しかし怪奇はこれだけでは終らなかったのです。

それからも毎日金縛りは続きました。
私もだんだん馴れてきたのでさほど気にはとめなかったのですが、この日はいつもと様子が違うのです。
寝ている自分の周りに大勢の人がいて、拍手をしている様な音が聞こえるのです。
私はおかしいと思い目を開けると………
なんと自分の周りに全身真っ黒に身を包んだ男達が大勢私にむかって拍手をしているのです。

男達は私が目を開けたのを確認すると見下したように笑いだしました。
私は身動きがとれない状態でも強気でいかなくてはと思い「なんだてめぇら!ぶっ殺すゾ!!」と叫びましたが声が出ないのです。

そのうちに男達の一人が私にまたがりナイフの様な物を振り上げました。
私はもうダメだと思い目をギュッとつむりました。
私は目を閉じたまま怯えていましたがなかなかナイフは刺さりません!
そのまま数分が過ぎて拍手や笑い声が遠ざかっていき、部屋の中は静かになったのでふと目を開けると先程までいた黒い男達がいなくなっていたのです。
私は怖くなってすぐに友人のTとYに電話して伝えましたがあまり信じてもらえませんでした。

少しして私は霊感の強いと言っていたAさんと連絡をとらなくなり、それからというもの、金縛りや怪奇な事も起こらなくなりました。
やはり霊感の強い人とよく一緒にいると自然に自分も強くなってしまうのでしょうか?
今の私には何も見なくなったので、わかりません。

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