まみちゃん

まみちゃん 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

息子が幼稚園の年少組だった時のことです。

「今日はまみちゃんとどろだんご作って遊んだよ!」
「今日はまみちゃんと虫を探して遊んだよ!」と、

息子は毎日のように、まみちゃんという女の子の話ばかりしていました。
私はよほど仲がいいのだろうと思っていました。

ある時 幼稚園に行く機会があり、園の先生に

「いつもまみちゃんと遊んでもらっているみたいなんですけど、何組の子なんでしょうか?」

と何気なく聞いたところ、

「まみちゃんですか・・・えぇと、(しばし考えて)そういう名前の子は年少さんにはいませんね~まなちゃんならいますけど。」

との答えが返ってきた。
しょせん三歳児、きっとまなちゃんとまみちゃんを間違えて言ってるんだろうな~とその時は思いました。
その後も毎日のように、

「今日はね、まみちゃんは髪の毛をね、こっちは緑色のゴム、こっちはオレンジ色のゴムで縛ってたんだよ~」
「まみちゃんイチゴのスカートはいてるんだよ~」

と、あいかわらずまみちゃんのことばかり話していました。

そして幼稚園の運動会の日。
息子の行っている幼稚園は園庭が狭いので、運動会は近くの広い運動公園を借りて行われていました。
その日、私は初めて息子に、

「いつも遊んでいるまみちゃんってどの子なの?ママに教えて。」

と聞いてみました。
すると、

「今日はね、まみちゃんいないんだよ・・・幼稚園にはいつもいるのに、なんでいないんだろ。」

と寂しそうに言ったんです。
ここで初めて私は何かおかしいと感じ、先生に聞いてまなちゃんという子を見つけ、、

「いつも遊んでいるのはあの子なんでしょう?」

と息子に聞いてみました。
すると息子は言いました。

「あの子はまなちゃんだよ。僕遊んでいるのはまみちゃんだよ。でも今日いないんだよ。」

どういうことだろう。
たまたま今日の運動会は休んだんだろうか。
でも先生もまみちゃんという子はいないと言っていた。
まさか・・・と言う思いはあったんですが、その時はあまり深くは追求せずに終わりました。

そして次の日から やっぱり息子は、

「今日はまみちゃんとお砂場で遊んだんだよ!」
「今日はまみちゃんと追いかけっこして遊んだんだよ!」

といつものように話しだしました。
顔もわからないまみちゃんという女の子。
息子はいつも楽しそうでした。

そんなある日、

「今日はまみちゃんとどろだんご作って遊んだよ!」

といつものように話していました。
その後、たまたまママ友達から電話があり、

「今日用事があって幼稚園に行ったんだけど、Rくん(息子の名前)、お砂場で一人でどろだんご作って遊んでいたわよ~」

と言われたのです。
一人で・・・?

それから何日かが過ぎ、いつのころからか息子は「まみちゃん」のことを口にしなくなりました。
あれほど毎日遊んでいたのに、どうしたんだろうと疑問に思い、ある時息子に聞いてみました。

「ねぇ、最近まみちゃんのお話しないね、もう幼稚園でまみちゃんと遊んでないの?」

すると息子は言いました。

「まみちゃんてだあれ?」
「あんなに毎日遊んでたじゃない、イチゴのスカートはいてる女の子、どろだんご作ったりしてたでしょ?」
「知らない、だあれ?」

・・・私は怖くて深く追求も出来ませんでした。
ずっと遊んでいたはずのまみちゃんは 一体誰だったのか、なんだったのか、今だにわかりません・・・
三歳の息子の作り話? それにしては服装や髪型や、ゴムの色まで細かく話してたし。
もしかしたらこの世のものでない女の子と毎日遊んでいたのでしょうか。
幼稚園には毎日いて、運動会にはこられなかったまみちゃん。
息子の記憶から まったく消えてしまったまみちゃん。
今、その息子も小学校二年生になります。

文章下手ですみません・・・実話です。

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