数週間前の休日の月曜日に俺自身が体験した話。
その日は休みで学校もなかったため、俺は10時半ころに起床した。
父親は数年前に亡くなっていて、母親は仕事。
祖父はどこかに出かけていて、祖母は1階の部屋にいる。
とりあえず、受験生なので勉強をしていた。
といってもPSPで音楽を聞きながらだが。
1時間ほどやり、勉強を中断して音楽を聞くのに専念しているとき、隣の部屋の引き戸を見た。
頭の中が「????」となった。
隣の部屋の引き戸の左側の戸に人影が映っていた。
しかし、自分のいる部屋から自分の影がそこに映るのはおかしい。
ベランダのカーテンが風に吹かれて・・・という考えもあった。
しかしカーテンで人影はおかしい。
第一、カーテンが吹かれて・・・という考えだと、カーテンが見えるはずなのだ。
しかし、カーテンが吹かれるのは見えなかった。
人影が映っている時にカーテンは動いていないはずだ。
そんな考えをしているうちに、階段の方へ移動して消えてしまった。
そのままの高さで。
おかしい。
引き戸の左側に映った場合、階段の方へ行くとすぐ階段があって、降りることになるために、人影の高さが低くなるはずだ。
祖母は普通は2階に上がってこない。
階段の下を歩いているときに映るということも考えた。
だが、映るはずがない。
一応、何処にいたら影がそこに映るのかを実証してみた。
勉強している部屋の引き戸(左側に全部引いている)に立ってみた。
一発で当たった。
そこに立つと映るのである。
ということは?俺のことを、引き戸のところに隠れて見ていた?
それとも人影自体が霊で、俺の事を見ていたのか? それで気付かれたから逃げた?
そんな考えが浮かび、ゾッとした。
また出るんじゃねえかと思ったのだが、それっきり謎の人影は見なくなった。
だが、あの人影が何だったのかは分からない。
いまだに謎である。
「戸に映る人影」を見たのは無論俺だけ。
他の人に話しても信じてもらえない。
そういうのに興味があるヤツだけは信じてくれたが。