加山○三ホテル

加山○三ホテル 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

もう今は取り壊されてしまいましたが、私が住んでいる家の近くに某有名俳優が建てたと言われる廃墟のホテルがありました。
高校生の頃、原付の免許を取得したばかりで行動範囲が少しだけ広がったこともあり、その廃墟の存在をかぎつけた私たちは週末の夜に忍び込んでみることにしました。

人数は5人でしたが、工事用のフェンスを乗り越えてその敷地内に入ってみると、あまりのでかさに肝が縮みあがりました。
その日は、ホテルの周りにあったボーリング場の跡地なんかを散策しただけで、後日人数をもっと増やしてから再び来ることに決めました。

そして一週間が経った日、今度は後輩なんかも呼び出して総勢10以上でそのホテルへ入っていきました。
あとにも先にもあんなに壮大で、底知れないほどに薄気味の悪かった廃墟に足を踏み入れたことはありませんでした。

ホテルは恐らく10階以上あったと思います。目の前は海です。
夜なので真っ暗な海が窓ガラスがなくなった部屋から見えます。
ですがさすがに人数が多いと、まるで怖いなんて気にもならずに、少し退屈になってきました。

そこで私たちは屋上まで行くと、今度は2人づつ組になって下まで降りることにしました。
私と親友がたまたまペアになり、一番初めに行くことになったのですが、それまで全然怖くなかったのが不思議と2人きりになるとめちゃくちゃ怖くなりました。
私たちはどこかで隠れて後から来る人を脅かそうとしていたのですが、全くそれどころではなくなりました。

すると、突然前から足音が聞こえてきてだんだん近づいてきたので、やばい!といって私と友達は一目散にみんなのいる屋上へ逃げて行きました。

そのあと、みんな2人づつ降りて確かめに行ったのですが、やはり同じところで足音を聞いたので、結局全員一緒に降りることにしました。

足跡の主はわかりませんでしたが、あとにも先にもあんなに怖いところはなかったです。

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