一軒家の女

一軒家の女 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

最初にいっておきますがそんなに怖くはないと思います。
自分が生まれて初めて経験した心霊?体験です。

ある日、勤めていた会社の社長から呼び出されて異動を命じられました。
隣の市にある営業所の所長に任命するとのこと。

簡単に言えば栄転です。
なんと引越し費用も会社負担でということなので妻も喜び、早速引っ越し先を探すことに。
が、家賃等の折り合いがつかずなかなか見つからない。
そんな中、妻がいい物件みつけたよと言ってきたのがとある賃貸の2階建ての一軒家。

建てられてから結構な年数は建っていましたが、1階部分はリフォーム済み、家賃も相場よりかなり安い。
しかも庭とガレージ付き。
トイレやお風呂も完全な新品になっていると。

これは最高だと早速、不動産屋に頼んで内覧させてもらうことになりました。

まずは1階。
リフォームしたばかりで綺麗でした。
1階部分の間取りは話に関係ないので省きます。

2階が問題だったのです・・・。

2階は階段上がって正面がトイレ、右に和室8畳、さらに奥に和室8畳という間取りでした。
この奥の和室は仏間だったようで、仏壇を置くスペースもありました。
この和室に入った途端、違和感がありました。

なにかに見られている・・・。

これが一番最初に感じたことでした。

妻もなにか感じたようでそれからすぐに内覧は終わらせました。
妻曰く、条件は最高だけど2階の奥は怖いと・・・。

とりあえず、不動産屋には保留にしてもらい、会社の先輩に相談しました。
先輩の奥さんが見える人だと聞いていたので。(自分はまったく信じていなかったけど。)

結果、一緒に見に行くと言ってくれたんです。 ただ奥さんも忙しく平日の夜しか空いていないと。
それでもいいのでとお願いしていくことになりました。
住所を伝えた時のここかぁ・・・て言葉がやけに気になりましたが・・・。

夜、22時くらいに一軒家の前に着き車から降りました。

妻や先輩、奥さんが庭を見ている時にやはり視線を感じたんです。

2階からなにか見ている。
見ちゃいけないと思いつつ2階を見上げたら・・・
ぼんやりと2階が明るくなってました。

あれ? 2階明るい? 内覧の時電気つけたっけ?

そんなことを考えていたら人影が見えました。

2階の窓から誰か見下ろしている!
人影がだんだんはっきりしてくる!

髪がありえないくらい長い女だとはっきりわかりました。
冷や汗ダラダラでまったく動けない。
目が逸らせない。
そのうち左腕がゆっくり上に動き始めたんです。

「大丈夫?」

奥さんに声を掛けられて我に返ったとき、2階は真っ暗でした。

「ここやめたほうがいいよ。早く帰ろう。」

すぐにその場から離れました。

・・・結論から言うと今は別のアパートを借りて住んでいます。

あの時、奥さんはすぐに自分の様子がおかしいことには気づいたらしいです。
そして、慌てて声を掛けたと。

「私はあそこの地区前から好きじゃないのよ。あそこにいたのがなにかわからないし、正直わかりたくもない。」

引っ越しが終わってから奥さんはそう言ってました。

これが自分が生まれて初めて体験した心霊?体験です。

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