墜落事故現場

墜落事故現場 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

もう15年以上前になるが、とある山で飛行機の墜落事故が起きた。
その数ヵ月後、事故現場に友人4人が遊びに行った時の話です。

4人(ABCD)は2台の車に分乗し(他にも同行者がいたかもしれないが失念)山道を走った。
正確な墜落場所は誰も知らず“行けばなんとかなるだろう、判らなかったら引返そう”位のノリだったそうだ。
暫く走ると山の奥が明るく灯り、多くの人達が騒いでる様な声が聞こえてきた。
“祭でもやってるのか?”
“鎮魂式かもしれないな?”
と予想し合い、とにかくその方角を目指して行った(途中からは徒歩だと思われる)。
山奥の灯と人々の騒ぎ声がする方角を、ひたすら目指した。

ふとAが妙な事に気付いた。
賑やかな声の中に
『おーい!誰か助けてくれ!』
との叫び声が聞こえたのだ。
一度気になってしまうと、その声達ははしゃいでる様子ではなく、助けを求める声・悲痛を訴える声に聞こえてきた。
Aがその事を友人に告げた。確かに、だいぶ声に近付いているものの、灯の正体や声の主達は一向に姿を表さない。
そして、つい先程までは気付かなかったが、何かが焦げた臭いが辺りに充満していて胸が悪くなる始末だった。

“今いるここが墜落現場なんだ”

との意見が全員一致し、逃げるようにその場を立ち去ったそうだ。

全員無事に地元に着き、今日の出来事について再度話合ったが、山奥の声や灯の正体について納得のいく答は出なかった。
朝になってから解散し、Aも自宅に帰った。
Aは家に入るなり、おばあさんに叱られたそうだ。
どこに行って来たのかと再三問詰められたが、Aは聞く耳もたず放って置いた。
実はAの家系は霊感が強く、おばあさんは昔イタコの様な事をしていたそうだが、当時のAはそういう関わりを欝陶しく思っていたからだ。
数日は何事も無く皆無事に過ごした。

しかし、更に数日後、Bは車の単独事故を起こし、車は廃車になった。
幸い怪我の方は対した事が無かった。
その数日後、今度はCが事故に遭った。
車も本人も結構痛手を負ったみたいだが、詳しい事は失念(スマソ)。
BとCの車は墜落事故現場に行った時使った車だ。
Aはおばあさんに怒られた時の事を思い出した。
Dにそれとなく体調等を伺ってみると、特に何も無いとの答え。
しかし、最近寝ても寝た気がしなくて疲れが溜まる一方だ、とぼやかれた。

確かにDは変な寝言が多くなっていた。
Dの部屋はいわゆる溜まり場だったが
『熱いよー』『助けてー』
等の寝言を言いうなされてる姿を複数が見ていた。
慌ててDを起こすも、D本人は決まって夢の内容を覚えていなかった。
みるみる内にDは体力が無くなり、痩せこけていった。

さすがにAは怖くなり、墜落事故現場に遊びに行った事を正直におばあさんに告白した。
そして、おばあさんの助言に従いDにお祓いが施された。
Dは幾らか元気を取戻していったが・・・

それから数年後、Dは車の事故で亡くなった。
墜落事故が原因とは思いたくないが、晩年Dを写した写真の多くは心霊写真になっていた・・・

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