道端に有るまじき物

道端に有るまじき物 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

これは俺が始めて霊を感じた経験談です。
その日俺は会社が終わりいつもの帰り道を歩いていた。
俺はいつも道をいつものように歩いて居たはずなのだが、いつの間にか知らない道に入っていた。

「道に迷ったかな~?」

などとわざと口に出して得体の知れない恐怖を拭った。
10分ほど歩いていると知っている道に出たので「ホッ」と安心したのもつかの間すぐに異変に気づく。

その道はいつのも道のはずだが街灯が赤紫のような色をしている。
いつもこの時間は人もまばらに車も通るのだがまったく人も車も通らない。
流石に怖さに耐えられなくなったので駆け出しました。
駆け出して数分もしないうちに道端に有るまじき物が落ちている。

それは
「人の腕と血の付いたナイフ付きライフル」
が落ちていた。

俺はそれを見たときに絶叫したのだろう。
駆け出して一分もしない内に声が枯れて喋れなくなった。
紫の街灯もいつの間にか淡いオレンジ色に戻っていた。
道にも人がたくさん居る。

俺は
「戻れたんだ・・・。」
とその思いでいっぱいで家族の元に帰った。
「ただいまー」

・・・

返事はない・・・。

キッチンで料理をする音は聞こえる。
「おーい、お帰りくらい言ってくれよー。
今日すごい怖い目にあったんだよー」
「あなた・・・」
「ん?」
「何で拾ってくれなかったの・・・?」
「・・・え?」
「私の大事なライフル・・・」
「・・・何言ってるだよ・・・冗談だろ?」
「ぐっ?!」

私は物凄い力で妻に首を絞められて死んだはずだった。
だが、朝起きるといつもの朝が訪れていた。
「あなたー朝よ、早く起きなさい」
いつもの朝だ・・・。
疲れててどうかしてたんだな・・・。
と思いダイニングへ向かい妻におはようを言う

「きゃっ!どうしたのその首!?」
え?と思い鏡に自分を映したら首には手跡がしっかりと残っていた。

昨日のことを妻に話すと妻の顔色が変わる。
「昨日は顔面蒼白で帰ってきたのよ。」
そして妻は独り言のように続けて話した。
「この辺は昔変質者が居たのよ」
「昔、私はその変質者に追われて警察に相談したけど無視されたの」
「私は悪くないわ!
あの人が勝手に落ちたのよ・・・そうよ!私は悪くない!」

このまま時間が過ぎ、20分・・・30分・・・と沈黙が支配していた。

「何でそんな大事な話してくれなかったんだ・・・」
「だって・・・私が小学5年生のときの話だったし・・・
嫌われたくなかった」

結局詳しくは話してくれなかったが大体の事情は飲み込めた。
昔この辺には武器マニアな人が居たらしい。
当時、小学生を狙った刺傷事件のニュースも結構流れた。
そんな時幼き妻はストーカーされたらしい。

マンションの階段を登っていると急にナイフが目の前を支配したらしい。
あまりの恐怖に変質者を突き飛ばしたそのとき階段から落ちて自分で持っていた「ナイフ付きライフル」が落下してきて自分の腕を切り落としたらしい。
出血多量と落下中に頭を打ったらしくまもなく死亡したらしい。

今でも毎年○月28日に不可解なことが身の回りで起こるらしい・・・。

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