奥多摩周遊道路の首なしライダー

おれがバイクで走り屋やってたころの後輩どもの体験。
後輩どもは4人でいつもつるんでた。

夏の風のいいころで、夜中の11時ごろ奥多摩周遊道路を流そうってことになって、2台は単独、1台はタンデムで出かけた。

当時はちょうど「奥多摩周遊道路の首なしライダー」のうわさがながれてた。
おれに話してくれた後輩は3台目を運転し、うしろに友達を乗っけてしんがりを走ってた。

奥多摩湖へ向かうカーブとトンネルが続く道を気分良く流していると、ミラーに追い上げてくる青っぽいライトが写った。

当時は青いライトなんて許可されていないので「?」と思ったのだが、とにかく早いヤツでみるみる追いついて狭いトンネル内で抜いてくる。
これはルール違反なので「このクソ野郎」とちらりと見ると、黒いバイクに全身黒づくめ。

なんと首がない。

「えっ??????」と思う間に抜き去られた。
ソイツが先頭のバイクに追いすがった時、先頭がグワッシャーンという感じでモロにこけた。
ちょうどトンネルの出口のところで、本人は道路に残ったがバイクはガードレールを乗り越えて谷底。

携帯電話なんかないころで、必死に電話を借りに民家に走った。
2~30分で警察と救急車がきてくれたが、その時間の長かったこと。
夜が明けてしまうかと思ったそうだ。
こけた先頭のやつは出ていたスピードの割には足の単純骨折ですみ、あとで病院で確認しあったところ

先頭のやつは「間違いなく首がなかった」
2台目は「そういえばなかったかも」
3台目の運転者「首がなかった」
タンデムのやつは「いや、無人のバイクだった」
という結果だったそうだ。

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