
[ナナシ 第6話]きみが呼び出したかったものは
学生生活も残り半年あまりとなった頃。 その頃すでに僕らは進学組と就職組に別れ、それぞれの勉強を始めていた。 僕とナナシは進学組、アキヤマさんは意外にも就職組で、その頃は次第に疎遠になっていた。 ...
学生生活も残り半年あまりとなった頃。 その頃すでに僕らは進学組と就職組に別れ、それぞれの勉強を始めていた。 僕とナナシは進学組、アキヤマさんは意外にも就職組で、その頃は次第に疎遠になっていた。 ...
煙突から、煙草から、焚き火から… もくもくと上る煙。 珈琲の湯気がゆらゆらと立ち込める。 ここは鶴田珈琲。 話しているのは馴染みの客、忍だ。 忍はそれらが怖いのだと言う。 「そんな...
だいぶ昔の話。 肺炎で寝込んでたら、バイト先のビッチから「ベランダに誰か居る!助けて!」とメールが来た。 家を知らないので「住所教えて」と返信したがそれきり返信無し。 バイト先に事情を話そう...
学生時代、まだ桜も咲かない3月のその日。 僕はクラスメートのアキヤマさんという女の子と、同じくクラスメートの友人の家に向かっていた。 友人は仮に名をナナシとするが、ナナシには不思議な力があるの...
狐やイタチが人を化かすと言う話を聞いた事があるでしょうか? そのころ、私達の間では「秘密基地」作り、中に蛇の抜け殻や黒曜石、気に入った棒などの宝物を置く事が流行っていました。 その日、私は学校...
あの夏を迎えてから、僕は少しずつナナシが変わっていくような気がしていた。 アパートでの豹変振りはもちろん驚いたが、窓の向こうの「もの」を見たときの、ナナシの表情や言葉が、明らかに今までのナナシとは違...
ある晩。 夜中ごく普通に自室で眠ってたら金縛りにかかった。 金縛り自体は昔からよくあるほうで、せいぜい「うへ、また来たよ」くらいにしか思ってなかったんだが、その日はいつものパターンとは違ったわ...
御晩です。 昨日、ナナシと言う友人の話を書いた者です。 今日も、ナナシについて、少し話をしたいと思います。 あの悪夢のようなアパートでの事件から数カ月が経ち、僕とナナシはまたお互いに話をする...
Aは生臭坊主を地で行く男で飲む打つ買うを一通り嗜む。 合コンとかキャバも普通に一緒に行った。 ある日、キャバの帰りにAがこんな事を言った。 A「今日付いたサリナって子。」 俺「この生臭...
今から数年前、僕と僕の友人だった人間が、学生だったころの話。 ときは夏休み、自由研究のため、友人…仮にナナシとするが、僕はそのナナシと、「心霊現象」について調べることにした。 ナナシはいつもヘ...
最初に、何歳の頃かも忘れてしまった、幼い日の出来事から・・・ 山や田んぼには、神様が住んでいると言う話を聞いた事がありますか? 私の生まれた町では、お百姓さん達からそんな話を聞かされて育ちまし...
あれは去年の夏のことだった。 冷房が壊れてしまい、僕は熱帯夜の中寝付けずにいた。 何度目かの寝返りをうったときのこと。 寝返りをうった方向、顔のすぐ目の前にどこか人のような顔をした犬か狐のよ...
あれからどのくらい経つだろう。 失って初めて気付くことがあると、身を持って知ったあの幼かった頃から、随分時間が経った。 知りたくなかった。 そんなことは、知らないまま大人になりたかった。 怖か...
柔道部員だった中学のころの話 県大会の予選で俺は受け身を失敗して失神したようだった。 技をかけられ、ヤバイと思った瞬間まで覚えている。 ふと気がつくと、俺は会場の天井近くにふわふわ浮いて...
俺の家の神社にこのあいだ、心霊相談で男女のカップルが来た。 対応したのは姉ちゃんで、写真の相談だった。 心霊写真かと思って、面白そうだったので俺も同席した。 しかし、見るところ普通の写真。 ...