ある、夏の夕方私はうたた寝をしていました。
夢の中で「リーン、リーン」と電話のベルがなっています(その頃は黒電話)。
ベルが3回鳴ったところで料理を中断した母が台所から出てきて受話器を取りました。
「はい、はい、はい・・・○○電話だよ!」
と夢の中で母が私を呼んでいます。
受話器を取るとクラスの女の子からでした。
その女の子から私の家に電話がかかって来たことはかつて一度もなく、なぜ私の家の電話番号を知っているのかも疑問でした。
・・・で「・・・・です。」
と何かを言っているのですが、夢なので、あまりよく聞き取れません。
ただ、「とても恐ろしい事を言っている」という実感をしたところで、じっとりと汗をかき、私は夢から覚めたんです。
目覚めて私は
「あの娘は何を言っていたんだろう?」
とまどろみながら疑問に思いました。
すると・・・「リーン、リーン」と実際に電話がなっています。
今見た夢と同じように、現実でもベルが3回鳴ったところで料理を中断した(らしい)母が台所から出てきて受話器を取りました。
「はい、はい、はい・・・○○電話だよ!」
(えっ?)
夢とおんなじです。
私はなんだかぞっとしました。
でも、呼ばれているので、とりあえず、受話器を取りました。
(誰からだろう?)
「こんにちは、△△ですが・・・。」
受話器から聞こえた声は、夢の中のあの女の子からでした。
(・・?)
ここまで、一致すると内容が気になります。
女の子は言いました
「クラスの■■君のお父さんが亡くなったので、明日告別式に参列してください。」
(ああ、これだったのか・・・)
と私はなんだか妙に納得して受話器を置きました。
中学時代の夏休みの出来事でした。