不思議な不動産屋

不思議な不動産屋 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

十年前、結婚してすぐから住み続けていたアパートの引越しを考えていた。
2月頃とある不動産屋に入った時のこと。
店には中年の女性が1人いて、席に座るよう促された(ここまで会話らしいものは無し)。

以下会話。

私「賃貸物件探しているんですが」
女性「あら賃貸?買うことは全く考えてない?…まだ早かったかしら←独り言風に」
私「早い、ですか?」
女性「あ、ごめんなさい。あなたね、近いうちに家を買うことになるわ。市内の中古物件。
まだわからない…かな、おかしいな…。でも、うん。今年のうちにはわかるから(きっぱり)」
私「???」

その頃、夫も私も色々停滞気味でお互い仕事がうまくいかず、引越しは心機一転を考えてのものだった。
もちろん家を買うなんて夢のまた夢。
そんなんだから余計に気味悪いよりイラっとしたんだけど、そのすぐ後に夫が破格の条件で転職して収入増。
その他にも重なっていた困りごとが一気に好転し、あれよあれよと言う間に年内に市内の中古物件を買う運びに。
でも買ったのはその不動産屋さんからではないですが。

あの時あの不動産屋さんには何が見えていたんだろう。
確かめようにも、もう閉めちゃったみたいでわからない。
一度くらい「本当に買いました!」って行けば良かった。

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