【電兄③】幽霊のにおい

電兄の話。

メールをするようになってから、奴とは結構打ち解けた気がする。
幽霊の話よりは、音楽の話で盛り上がってたかな。
現時点でも、奴が幽霊見える(っぽい)てのはあんまり信じてない。

でも…電兄の、幽霊観っていうのかな?
オカルトな世界に関する説明とか解釈には興味を持ってた。
レスの中で「本当に見える人がわざわざ一般人を怖がらせるようなこと言うか?」みたいな書き込みがあったけど今では、それも電兄なりの考え方があってのことだと分かった。
(あえて怖がらせるような奴の物言いを、私も不審に思ってキレたことがあるんだw)



これは4日前くらいのこと。
これまでの間に色々と、(今までの如く電兄だけに分かるような)オカルトな出来事は何回かあった。
でも、その日は初めて自分で変な体験を認識したかも。

電兄とは起点(?)にしてる駅が一緒で(私はそこから電車乗り換え、電兄はバスで通学する)、メールをするようになってから、時間が合えば帰り際に合流して同じ電車で帰るようになった。
あ、別にロマンス的なものは無いですよw

それで、一昨日もそんな感じで合流して、駅ビルの近くのコンビニとかで電車来るまでの時間潰しをしてた。
コンビニから駅ビルに戻って、外から中に入る自動ドアの所でぼんやり歩いてたら(この時ぼんやりしてたことには後から気付いた。引っ張られてたのかも)サラリーマン風の男性と擦れ違った。
外見はごく普通。でも、何故か凄く線香臭かった。
臭いの塊がゆっくりムワッて来るような感じ。
香水とは違うと思う。臭い空気は密度が濃い気がした。

男性がどこかに行った後

「凄い臭いだったね。仏壇にでもスーツ置いてるのかな?」

って電兄に言ったら

「においー?」

珍しく奴に変な顔をされた。

聞けば、線香臭さは全く感じなかったらしい。
電兄は鼻が馬鹿なんじゃないかと思った(失礼w)

実際そう言ってからかったんだが、電兄が、ふと「どんな風に臭いがしたか」を聞いて来た。

「むわ~って感じ。ゆっくりだけど強烈に臭いが来た。」

以前の経験から、私が上手く説明できないと“引っ張られたんだよ”とかいう奴の得意な方向に持って行かれるのが分かってたので、できる限り細かく語ってやった(これが墓穴を掘ることになるんだけど)。

「外から入って来るとー、こっちが風上になるよねー。今日は風強いから特に。」

私が話した後に電兄がぼそっと言った。
想像できるかな?外から中に入る時、中に一気に風が流れ込む感じ。
その風と一緒に中に入るわけだから、自然と自分達が風上になる。

「…それが?」
「むわ~ってしたんでしょ?こっちが風上なのにー?」

そこまで言われてやっと気付いた自分こそが、馬鹿だったorz
こちらが風上なのに、風下から「むわ~っと」、「ゆっくり」臭いがするのって変じゃないか?

気付いた瞬間ガクブル。
男性はどっか行ったからもう確かめようが無い。

「俺が分からなくて、お前だけが分かるのってー、初めてかなー?w」
「で、でも、幽霊信じてないもん((TдT;))」
「じゃあー、“幽霊じゃないもの”だったんじゃない?」

なんだよそれ!

コンビニに戻ってアジシオ(たぶんお祓いのつもり?)買って帰ったw
これが今のところ一番新しい話。

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