某Sの滝のちょこっと上流に山荘がありまして、当時、天文部が合宿をしてました。
深夜、カメラを据え付けて望遠鏡を覗いていたら天候が崩れて、撮影どころじゃなくなりました。
撤収か?と思って他の場所で撮影している奴らを見渡してみたら、数m先で赤いトレーナーを着た人物が林の中に入って行くのを見ました。
その時の部員で赤系のトレーナーを着ていたのは自分とK先輩の2名。
K先輩、アブネーな、こんな深夜に何処行くんだ?
と思っていたら、先輩は目の前におりました。
あれ?と思ったんですが、部員は確かに全員そこにいました。
この時、『赤い服の人』を見ていたのは自分と友人数名。
確かに赤い服を着た人物が林の中に入って行ったのを見たのですが・・・。
しかしよく考えたら林の向うは川・・・。
雲が出てほぼ真っ暗な上、撮影中だったのでこんな中、林に入って行くのは基地外沙汰です。
雨が降り出し、その場は撤収となりましたが、その夜はその話で持ちきりでした。
K先輩もそれを目撃しており、K先輩は後輩の自分だと思ったそうです。
それから何事も無く合宿は終わり、数年後、当時の顧問から連絡がありました。
(確か卒業していたので、2年後くらい)
・・・K先輩が自殺したとの事でした・・・。
ガス自殺でしたが、遺書はありませんでした。
その時、一同の頭を過ぎったのはあの『赤い服の人』のこと。
何故、その事を思い出したのかはわかりませんが、ゾッとしたのを覚えています。
あの林の先には某Sの滝に繋がる川。
Sの滝、確か自殺者多かったような・・・。
恐怖体験ではないんですが、未だに奇妙な感覚の残る出来事でした。