ずっとマンション暮らしだったある一家が、空き家だった一軒家に引っ越した。
その家の2階の廊下の突き当たりにドアに鍵がかかり、ガムテープがベタベタ貼られている部屋があったそうだ。
一家は不気味に思ったが鍵もないし、別に部屋は他に必要としていなかったので無理には開けようとせず、そのままにしていたらしい。
引っ越して一週間ほど経ったある日、そこの長女が体調不良を訴え始めた。
次の日には妻が、そして数日経った頃には夫が体調不良になった。
「頭が痛い」
とか
「吐き気がする」
などの症状は3人が全員同じで、病院からは
「ハウスダストなどのアレルギーだ」
と言われ、結局1ヶ月ほどでその一軒家を手放してしまったらしい。
一家はマンションだが、前よりも大分快適な住まいに引越しした。
もちろん、今回の住まいは頭痛も吐き気もしない。
数ヶ月経った頃、例の家に引っ越してきたという家族達から連絡が入った。
「2階の廊下の突き当たりの、ガムテープと鍵のかかったドアの部屋を子供部屋にしようと、無理矢理こじ開けてみたんですが、金色の髪の毛が散乱していて、目のくり抜かれたフランス人形が数体落ちているんですが…一体何があったのか知りたくて連絡してみたんです」
と。
一家はとんでもない家に住んでいたらしい。
そして、彼らの前に住んでいた住人は行方不明で、全く連絡がつかないそうだ。