ある人(以下Aさん)のおばあちゃんは、ある山の麓にある村に住んでいました。
今から話す話は、Aさんが子供の頃の話です。
Aさんは毎年夏になると、おばあちゃんの住む田舎へ帰り、近くにある川で遊んでいました。
ある日、こんな夢を見ました。
川で遊んでいて、夕方になったので帰ろうと川沿いの土手をずっと進んでいると、白いワンピースを着て、麦わら帽子をかぶった女性が反対方向から歩いてきました。
誰だろうと思って、すれ違うときに顔をのぞき込むとそれはとても綺麗な女性でした。
女性はAさんを見ると、クスッと微笑んで、涼しげな眼差しでAさんを見ていたそうです。
家へ着くと、線香のにおいが漂っていました。
どうやら葬式のようです。
奥へ進むと、写真が見えました。
それは、自分自身の写真、つまり自分の葬式が執り行われていたのです。
そこで目が覚めました。
もうそんなことは既に忘れた次の年の夏。
同じようにおばあちゃんの家へ行き、川で遊んでいました。
辺りは夕方になり、そろそろ家へ帰ろうと、川の土手を歩いていました。
すると反対方向から、白いワンピースを着て、麦わら帽子をかぶった女性が歩いてきました。
「あれ、これどこかで見たことあるなぁ」
そして、去年見た夢のことを思い出しました。
「目を合わせてはいけない・・・」
直感的にそう思ったAさんは、その女性に背を向け歩くようにしていました。
すれ違った瞬間、女性がこういったそうです。
「どうして知ってるのよ」