今から10年以上前。東北の某大学の某学部の教育棟に通っていたがそこは霊が多くて有名だった。(私は鈍いので見えなかった)
1階にはたくさんの人間の霊が普通に歩いているそうで、2~3階にはひどいケガをした人間や体の一部、攻撃的な顔でついてくる霊がいるらしかった。
4回から上に行くにつれ人間の姿は崩れ、最上階の6階にはもう姿は無い。
ただ、フロア全体を邪気のようなものが満たしているそうで、霊感の強い人はよっぽどの用がない限り、上に行こうとしなかった。
ある日、飛び降り自殺があった。
早朝6時、屋上のへりに立ってタバコを吸っている男がいるのを、敷地の手入れに来た職員が見つけたらしい。
それで数人で「危ないぞ」と叫んだが、男は笑って見せた直後に飛び降りたという。
(後日談…彼は4年生の男子で、就職が決まらず鬱気味になっていたらしい)
9時頃、私が登校した時には、警察とツナギを着た作業員?が数人で砂をまいていた。
彼が落ちたコンクリートの上に大きい血だまりが出来て、洗っても脂肪分があって落ちないため、砂をまいてはすくい取るのを繰り返していた。
その日は十何人かの学生が早退した。
血だまりを見て具合が悪くなったのだろうと思っていた。
その話はなんとなく禁句になり、数ヶ月が過ぎた。
ある日の飲み会で、例の飛び降り自殺の話になった。
「あれはマジ怖かった」
「二度と見たくない、実際見なくて済んだけど」
と話している仲間に「血だまり?」と聞くと、一斉に黙ってから
「○○ちゃんには見えなかったんだね」
「俺はむしろ、血だまりは見えなかった」
などと言われた。
聞くと、あの日は棟にいた全ての霊が外へ出て無言のまま血だまりを囲んでじーっと見ていたと言う。
それはちょうど正午まで続き、そのあとは一斉にまた棟へ戻っていったらしい。