器電芝霊

器電芝霊 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

昔、若い頃に××(某家電メーカー)に勤めていた。

どっかの町工場にあった防空壕を改造して作った地下倉庫に行った時の事なんだがそこで見た事の無い冷蔵庫を発見した。
好奇心から色々観察していたら「器電芝霊」っていう商標が刻印されていた。

更に興味が湧き扉を開いてしまった。
中の冷気がふわっと外に広がる。

「魂」「敗失」「敗失」「敗失」「鬼」

という古そうなラベルがそれぞれ貼られた
小ビンが入っていた。

「違うんですよ、そっちじゃなくてこっちです」

と後ろから町工場の社長に言われてその日はそこから締め出された。

数年後にまたその会社を訪れた時にもう一度あの冷蔵庫を見せて欲しいと言った。

すると

「ああ、気付かれてましたか?
いやあ、流石は××さんは違う。
国には秘密にしろって言われてたもんですがね。
いやまあ、結局ご存知でしょうが失敗しちまったもんですし、もういいんです。
あれだけ苦労してたった一人生き返っただけですし」

と…言われたのを覚えている。

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