カラオケ屋の方の話

409 :本当にあった怖い名無し:2010/06/02(水) 11:22:51 ID:8p5hMd4QQ
体験談というか現在進行形なんだがこれが原因でバイト辞めようか悩んでる…
心霊どうこうじゃないし、やたら長いし、話のネタにもならないかもしれないけど暇つぶし程度にでも聞いてほしい

焼肉屋とカラオケ屋で掛け持ちバイトしてるんだが、カラオケ屋の方の話

個人経営のそんなでかくないカラオケ屋で従業員は店長除いて男三人女一人の合計四人
早番専門に俺と今年始めに入ったKって女、遅番専門で古株のYとRって男がシフト入ってて、平日は早番遅番交代で一人ずつ、週末や祝日は全員出勤

つまり早番の俺は木曜金曜が一人で出勤、土日はKと出勤になってる

正直今彼女もいないし、女の子と同じシフトに入れるのは嬉しいんだけどKはちょっと変わった奴で、中々かわいい顔立ちをしてるのに目の下はいつもクマなのか黒っぽくて、行動がぜんまいで動く玩具っぽくてかなりそそっかしい
彼氏と同棲してるみたいなんだけど、噂によると彼氏ってのが去年事故って軽い後遺症が残ってるらしい

三年半付き合ってると聞いたが彼氏溺愛らしく以前ふざけて「同棲してる女働かすような経済力のない男なんか別れちまえよww」って言ったらマジギレされてみぞおちにモップの柄が減り込んだ

そんなちょっと変わったところもあるが、他は普通に明るいし面白いしなんか小動物っぽくてかわいい奴だ

前置きが長くなったが、土日祝日はKと一緒のシフトに入る
田舎の暇なカラオケ屋でも週末は混むもんで、店内の清掃も客の相手も二人で手分けしてやらなきゃさすが仕事がまわらない程度には忙しくなる

でも先週末、外が大荒れで土曜日なのに客が全然来なかった(うちはほぼ免許のない徒歩で来る客がメインだからかなり天候が客足に影響する)相手する客もいないし本当に暇でKと雑談しながらだらだらのんびり店内の掃除してた

410 :本当にあった怖い名無し:2010/06/02(水) 11:26:47 ID:8p5hMd4QQ
午後になっても客はこなくて、下廊下を暇そうに棒雑巾で拭いてるKに休憩入るって伝えようと階段下を覗き込んだ時に始めて気が付いた

Kの掃除した床はワックスでもかけたのかってくらいピカピカで思わずため息が出るくらい綺麗になってるんだ
Kが掃除した2階トイレや厨房も覗いてみたらそこも見事にピカピカ
いつもは掃除が終わるや否や客が踏んで歩いて汚すからわからなかった

それに比べたら俺が丹精込めて磨いた床なんてくすんでて哀れだった
店長が俺に口をすっぱくしてもっと丁寧に掃除しろよと言う理由がやっとわかった

つぎの日も天気は悪くて客足もさっぱり
あまりに暇だから気合いをいれて掃除を始めたがKが掃除した床の足元レベル程も綺麗にならない

なんか悔しくて、暇つぶしがてらKの下廊下の掃除を開始から終了までじっくり観察してその見事な掃除術を盗もうかって考えたんだ
店には掃除用具室ってのがあって、その部屋には四畳くらいの狭い部屋に簡易洗面台とトイレ掃除の道具以外の掃除用具が全部入ってる

Kがトイレ掃除を終えて掃除用具室に入るのを見計らってドアの隙間からこっそり中を覗いた
この時はバケツと雑巾持って掃除用具室から出てようとするKを脅かしてやるつもりだったんだ

掃除用具室に入ったKはバケツに水を溜めだし棒雑巾の柄からせっせと雑巾を外していた
俺はKの無防備な背中をみると悪戯心がどんどん沸いて来て笑い出しそうになるのを必死に堪えてたんだが、Kは突然ポケットの中から赤黒い液体が半分くらい 入ったコーヒー缶くらいの小さいボトルを出した

俺は一瞬「マイ洗剤かよ!ピカピカの床の秘密暴いたぞ!」なんて思った
あとで分けてもらおうかとかも
Kはバケツに溜めた水にボトルの中身をドバドバと大半注いでいた、入れすぎだろって位

そして外した雑巾をバケツにいれて何か独り言をいいながらじゃぶじゃぶ雑巾を洗い始めた

Kは普段から独り言が多い奴だから別に不思議にも思わず何気なく耳を澄ましてみたら繰り返し「○○しね○○しね○○しね」って呟いてた
ちなみに○○は店長の名前
415 :本当にあった怖い名無し:2010/06/02(水) 12:16:01 ID:8p5hMd4QQ
画面黒くなるなんなんだよ
とりあえず続きを…

俺からはKの後ろ姿しか見えなかったからどんな顔してたかはわかない
でも、しねしねって呟く合間に何か明石さんまがよくやる引き笑いみたいな声が聞こえてきて
めちゃくちゃ怖くなってなるべく足音立てないように厨房に戻ってカルピス飲んだ

結局いつも通り仕事を終えてYとRに引き継ぎをして店長とKと仕事終わりの定番の雑談タイムを過ごした

Kはいつもと変わらず店長にも俺にもニコニコと愛想を振り撒きながら面白おかしい話を語った
店長への呪詛を吐きつづけた口で

しばらくして店長は一旦自宅へ、俺はKと同じ時間に帰るのがなんとなく怖くて、Yの休憩時間まで待ってYと話してから帰るつもりだったから店に残った
Kは彼氏が待ってるからと言って帰る支度をした

お疲れと言う俺に、いつもはお疲れ様ですと明るい声と愛嬌たっぷりの笑顔が返ってくるんだが鞄を持ったKはぴくりとも動かなくない
立ち上がった状態で俺の前に棒立ちしてるKが今までで始めて聞くような低い声で「覗きって最低だと思いません?」と呟いたんだ

416 :本当にあった怖い名無し:2010/06 /02(水) 12:17:30 ID:8p5hMd4QQ
後は一言も言わず早足で帰って行った

その後ずっと頭がぼんやりして動けないでいるとYが事務所に入ってきた

おれはYに泣きついてその日あった全てを話した
Yによれば、あくまで噂の領域だがKの彼氏が事故った相手ってのはどうやら店長らしい
事故は10:0でKの彼氏が悪かったらしいけど…

彼氏の事を聞く度曖昧に笑って話を濁すKの態度を思い出してなんだかただの噂じゃない気がして本当に怖くて怖くて

あの液体何?店長は何も知らずにKを雇ったのか?Kはなんのためにこの店に来た?

土曜日の夜からKからメールと電話がかなり来てる
もちろんでないし、メールも読まない
でも削除しようとしてうっかり開いたとき「見ましたよね」って文面が見えた
この休日中一歩も外出してない
狭い田舎町だしKに会いそうな気がして

怖いし土曜またKと同じ時間に仕事かと思うと憂鬱だ長々と付き合ってくれてありがとう

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