たぶん消防の頃なんで細部は不正確かもしれんが、「あなたの知らない世界」の再現ビデオでやってた金造の話。
ある晩金造がふとんで寝てると、眉間にピチャーンと水滴が当たるのを感じた。
「……ん?なんだ?」
と思ったが、眠いんでそのまま寝続ける金造。
しばらく時間が経ち、ウトウトしかけた頃、また眉間にピチャーン…。
「…雨漏りじゃねえよな、雨降ってねえし。おかしいな。」
と思いつつもめんどくさいんで詳しくは調べずに、再び眠りに就く金造。
また眉間にピチャーン。
「まいったな、水道漏れか? まあ、明日調べることにしよう。」
今度は布団の位置を大きくずらして、顔をこわばらつつも無理やり目をつぶる金造。
ピチャーン。
ヒッと軽く声をあげ飛び起きる金造。
電灯をつけて天井をくまなく調べるも、雨漏りや水漏れ時にできるシミはどこにも見当たらず。
「とにかく眠らなきゃ。明日の仕事にひびくぞ。」
だがもう眠れるわけがない。
横になって目を閉じても、頭はギンギンに冴え渡り、全身の神経が顔面の一点に集中した状態。
数十分後またピチャーン。
狙い澄ましたかのように眉間のど真ん中。
絶叫してションベンちびる金ちゃん。
大体こんなかんじの内容だった。(一部脚色あり)
で、誰が眉間を狙って水滴をたらしていたのか。
当時彼はハンダースというグループの一員で、そこそこ人気もあり、若い女の子からのファンレターとかも来ていた。
その中のの一通に、ファンの子が自分で作ったフエルト細工の小さな人形が同封されていた。
(奥行きのない薄っぺらのヤツね。)
クマか何かの人形だったと思うけど、金造は何の気なしにこれを画鋲で柱にとめたまま忘れいて、その、ちょうど画鋲がささっていた部分が人形の眉間だった。
つまり、もう少しちゃんとした扱いをしてくれというメッセージだった、という話。
「こんなたわいのない物がと思われるかもしれないが、手作りの贈り物、しかも作り手が面識のない他人の場合、それがどれだけの気持ちを込めて作られたかを、贈られた側は推し量ることができない。
どんなに稚拙でも、こういう物の扱いには注意したほうがよい。」
てなことをニイクライワオが解説していた。
これとは直接関係ないけど、一定の間隔で額に水滴をたらし続けるというのは、有名な拷問の方法らしい。
狂い死にしちゃうんだそうな。