受付に立つ女性

受付に立つ女性 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

唯一自分の体験を書きます。
10年以上の前の話です。

ある外資系の有名企業(名前は勘弁)の受付センターみたいな業務を部屋ごとアウトソーシングで受託していた案件の話です。
その案件は最悪でスタッフ入れても続かないし、リーダーは病気、うつ、離婚とわずか2年で次々と入れ替わる事態。
自分は当初全然業務に全然かかわっていなかったのですが、その前の仕事でちょっとポカをやってしまい、暇になったので2か月だけその現場にいってほしいと会社の上司に言われ仕方なくそこに常駐しました。

仕事の内容は経費とか、業務の集計がうまくいっていないので、ちょっとEXCELの表を直してほしいとのことでした。
現場の雰囲気は最悪で、スタッフはうちの会社とその常駐している会社の悪口、会社のリーダーは離婚&出会い系サイトに熱中していて、およそ業務に集中していない。
業務管理しているうち会社の上司は全く業務を理解しておらずスタッフやを見下しているだけで、約束した時間に平気で遅刻する等およそ社会人として素養が全くない方でした。
自分もそのプロジェクトにかかわるのは嫌で早く立ち去りたく、EXCELも適当に直し、別の業務にかかわるつもりでした。

が、常駐先の会社の担当者が何故か自分を気に入ってくれて、離婚&出会い系サイトのリーダーに替わって自分がリーダーになることになりました。
リーダーになったものの、自分も業務を全く理解しておらず、スタッフに習いながら、業務を行いましたが、マニュアルも整備してなく相変わらず雰囲気は最悪で常駐先の会社の担当者と話し合って、スタッフの入れ替えをしながらプロジェクトの立て直し図ることになりました。

その受付センターは、ドアは2つあり部屋に入るのに最初のドアはセキュリティーカードをかざし、入室しなくてはならず受付場所にもドアがあり、部外者は一切入れません。
受付場所は病院の受付みたいな場所です。
監視カメラが受付と業務運用の場所の天井2か所に設置しており、セキュリティ的にはかなりキチンとしておりました。

自分が常駐して10ケ月ほど、漸くいいスタッフが入社してくれて、前より雰囲気がよくなり、常駐先の会社の担当者だけでなく、常駐先の会社の社員の方からもご評価をいただいていたころです。
自分の担当業務として、監視カメラに何か変なものがないか、確認する業務がありました。

一応確認するのですが、時々おかしい。
人間の髪だけ映ることがありました。
映り方というのが、カメラにバラバラに映るというか、髪の長い人がカメラを撮るとき、誤ってレンズの前に髪が入っちゃったみたいな映像が時々あり、原因がちょっとわかりませんでした。

カメラは天井だし、髪の長いスタッフは高井君(仮名女性)しかいないし、常駐先の会社の担当者に伝えたら、
「埃でしょ」
の一言で、まあ、おかしいけど問題じゃないや、ぐらいの感覚で特に気にすることもなく日々業務を行っていました。

ある日どうしても、集計結果がおかしいことがあり、21時ぐらいまで残業をしていた時です。
2か所あるドアをしめ、再集計が終わりコーヒーを飲みながら、数値を眺めていた時でした。

受付に誰か立っていました。
ピンク色のスーツで髪の長い女の人でした。
表情は暗く、疲れ切っていました。
「あれ?」
と思っていたのですが、すぐに受付場所まで駆け寄ったのですが、すでに立っていた人は消えました。
すぐにセキュリティドアを開け、その人を探したのですがいませんでした。
後日常駐先の会社の担当者にその件を話したのですが相変わらず、
「あんた疲れているのよ」
の一言で終わりました。

自分はもしかしたら、このプロジェクトがうまくいかないのはそのピンク色のスーツで髪の長い女の人が原因かもしれないと思いました。
本当はいけないのかもしれませんが、病気でやめてしまった前々のリーダーに連絡をとり、ピンク色のスーツで髪の長い女の人のことを話しました。
「Y君(自分のこと)も見たんだ」
前々のリーダーもこのプロジェクトがうまくいかないのはピンク色のスーツで髪の長い女の人が原因だと感じていました。

おそらくですが、その場所で自殺したのではないか?
常駐先の会社の担当者はその件を隠したいのでは??
前々のリーダーはその髪の長い女の人を見てから体調を崩したと・・・
自分も同じことが起きるのではないかと恐怖を感じましたが、ピンク色のスーツで髪の長い女の人に抗うことなく、うまく調和できる方法はないか考えました。

前々のリーダーにあった翌日、受付にコップに水と中身の入っていないスタッフカードのケースを置きました。
早速高井君(仮名女性)に突っ込まれました。
「Yさん、幽霊出るんだったら、塩まかないと・・。
私、怖くて働けない」
自分
「まあまあ、いいじゃない。
塩はお清めだけど、人が採れないんだから、猫でも幽霊でも働いてもらわないと・・
新しいスタッフが来たと思ってよ」

それからは監視カメラに髪だけ映ることもなく雰囲気も良くなり、自分のかわりのリーダーが採用されました。
自分のかわりのリーダーに引継ぎをし、現場を離れる日も決まりました。
新リーダーが用事で早く帰ることがあり、集計業務を行っていた時です。

ふと見上げた時です。

受付にピンク色のスーツで髪の長い女の人がいました。
また、探しましたがいません。
キョロキョロしていた時に
耳元で声がしました

「あり・・・」

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