霊感の強い子

霊感の強い子 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

友達が霊感の強い子(仮に玲子)と東京に遊びに行った。

夜になって予約したホテルに着くと、どうもダブルブッキングで泊まれないという。
それにホテルは満室で他に空きはないと言う。
その時点で玲子は「嫌な感じがする、どこにも泊まらないで早く帰ろう」と言う。
でも友達は疲れているから「絶対泊まる!」と、交渉してなんとか部屋に通してもらった。
それが友達にも妙に気持ちの悪い部屋だった。
夜中、玲子がなんども怖い目にあったらしくて友達を起こそうとしたのに、何度やっても起きなかった。

朝になって、友達のギャーという悲鳴で玲子も飛び起きた。
部屋中じゅう髪の毛だらけになってた。
天井からもあらゆる隙間から長い髪が垂れ下がっている。
ドアのノブにも何重にも巻きついている。
布団の上にも散らばっている。
電話にもからみついている。

それを避けてフロントに「来てください!」とだけ伝えたのに、従業員はほうきとちり取りを持ってきた。
そこでは普段はここまで出ないらしく、友達は「玲子がいたから強く出たのではないか」と言ってた。
二人で「すぐにここを出よう」と、鞄を出した。
開けるとぎっしり髪の毛が詰まってた。
玲子が「もうだめ、荷物は全部捨てて帰る」と言って、最低限の着替えだけ済ませた。
「アクセサリーもお財布も捨てていく」と言って、
なるべくお財布に触らないようにして、指先だけでそーっとお札だけ抜いてポケットに入れた。
友達はもったいないからと髪の毛を捨てて、ネックレスもして帰った。

友達は後日、そのネックレスをしていると不可解な怖い目にあうことが続いて、気持ち悪くなってお寺に持って行った。
でもお寺は留守で、持って帰りたくないから、包んだお金とネックレスを置いて帰ってきた。

数日後、お寺とはまったく別の通りを歩いていたら、何かに首のあたりを引っ張られた。
振り向くと、あのネックレスがなぜか木の枝にひっかかっていて、友達の髪にからまってた。
「ぎゃ」っと振り払って慌てて帰って、それからはなんにもない。

「でもねー、変なんだよねー。このこと話し終わるとなぜか変なことがあるんだー」

と友達が言うから、

「へーそうなんだー」

と、飲んでたグラスを机の上に置いたとたん真っ二つに割れた。
欠けたとかじゃなくて。

聞いたその日は夏だから明るかったけど帰り道怖かったw
ちなみにそのホテル、いまは廃館だそう。

その玲子さん、地元では霊感少女で有名だったらしい。
小さいころから家に『生きてる人ではない何か』がいて、付け狙ってた。
はっきりとは判らないけれど、どうも女の人のよう。
祖父が神職で、その方が家にいるときは近づけないみたいで、いないときはいつもじーっとどこかからこっちを見ていた。
両親に言っても「変なこと言うね」と取り合ってもらえない。

ある日、祖父が旅行に行くことになった。
玲子は怖いから両親に一緒に寝させてと、川の字の真ん中で寝させてもらった。
夜になってふっと目が覚めたら、ふすまがいつのまにか少し開いてる。
その隙間から女の人がじーっと覗いていた。
それが│・・│こうのぞいてるんじゃなくて、│:│こう見てるんだって。
両親を揺さぶってもどうしても起きてくれなくて怖くて固まっていたら、女の人が襲いかかってきた。
両親をまたいでではなく『飛び越えて』来た。
気絶して、そこから何もおぼえてないそう。

しばらくしたら祖父が宝くじ六千万円だか当てて、ぽんと一軒家建てて引越ししたらいなくなった。
どうもその家についていたらしい。

★この話の怖さはどうでした?
  • 全然怖くない
  • まぁまぁ怖い
  • 怖い
  • 超絶怖い!
  • 怖くないが面白い