トイレにまつわる怪談

トイレにまつわる怪談 俺怖 [洒落怖・怖い話 まとめ]

このスレ見てたら思い出したんでトイレにまつわる怪談を一つ

俺の実家は子供の頃、田舎だったせいもあってトイレが汲み取り式だった。
男用(小用)と女用(大用)の二部屋があって、大の方の便器が置いてある部屋は便器を覗き込むと昼間でも真っ暗な深い穴が開いていて、いつも変な臭いがしてジメジメしてる上に電球がいつも切れかけてて、夜中になると薄暗い黄色い光の中で用を足さないといけなくて俺は大の方の便所に行くのが大嫌いだった。

ある晩、夜中に小便がしたくなって目が覚めたオレは、嫌な感じを我慢してトイレに入った。
薄暗い明かりの中で用を足していると、窓の方から声が聞こえる。

「お~い  お~い」

俺はこんな夜中にトイレに行こうとした事をひたすら後悔した。
でも、ここで声を上げたらきっと相手に気付かれてしまうような気がして、窓の方を見ない様にしてとにかくトイレから出ようと考えた。
ゆっくりと後ずさってトイレを出て、ドアを閉めようとした時、ドアが嫌な音を立てて軋んだ。
その瞬間

「オイ!!」

という怒鳴り声と共に大用のトイレの扉が開き、その隙間から青白い手が伸びてきた。

オレは絶叫した。
とにかく絶叫した。
そのまま逃げようとして勢い良く壁にぶち当たり、後ろを振り返ると便器の中から皺だらけの男が反り返る様にしてこちらを見つめて手を伸ばしていた。

その後、悲鳴を聞き付けて駆け付けてきた家族によって俺は何とか助かった。
その時、用を足そうとして便器にはまって落ちかけてたじいちゃんも親父達に引っ張りあげられた。
でも、それ以来オレが夜中にトイレに行けなくなった事と、安全を考えてそれから3日と経たずにトイレが水洗になる事が決まった。

事件の次の日じいちゃんの部屋に謝りに行くと、じいちゃんは笑って俺の頭をなでると甘いお菓子をくれた。
その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディーをもらえる私は、きっと特別な存在なのだと感じました。
今では、私がおじいいちゃん。
孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら、

彼もまた、特別な存在だからです。

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